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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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寂しい老後

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住宅地を散歩していて見つけた、あまり見かけない花です。この色、好みだわぁ

 

 

2月から定期的に隔週、ベティーさん(仮名)の住み込み介護をしています(参: まさかの出戻り)。

今日で6月も終わりですから、早くも満5ヶ月になるんですね。

 

ベティーさん(95歳)は、ご高齢にもかかわらず、とてもマメです。

週に2回は友人の誰かしらに電話をかけて近況を伝え合いますし、

バースデー・ブックをチェックして、親類や友人の誕生日には必ずカードを書いて送ります。

そのおかげでしょう、毎週誰かしらから電話がかかってくるし、訪ねてくる友人もいます。

独りが好きで、社交性に乏しく、友人が皆無に近い私とは、大違い・・・

 

ちなみに我が夫・オットーも、私に輪をかけて独り好きだしひとり上手です。

そろって友達のいない、還暦を過ぎた夫婦。ということは、寂しい老後が予想されますね。

オットーは弟妹(弟二人と妹一人)がいるからまだいいけれど、

私には自分の血縁者は、この国にはムスメただ一人。

でもムスメにはムスメの生活と人生がありますから、手枷足枷にはなりたくありません。

なので私はオットーに先立たれては困るのです。絶対に絶対に、オットーより先にこの世を去りたいです。

だって、もしオットーに先にあの世に行かれてしまったら、きっと私は電話の一本もかかってこず、

訪ねてくる人もなく、孤独死まっしぐら・・・という気がしますから。

 

あ、もちろんムスメは私のことを気にはかけてくれるでしょう。

でも私たちは毎日電話で話すような母娘ではないので、独居していた私が急死したら、しばらくは発覚しない可能性は大です。

それにひょっとしたらムスメは、10年後20年後には、どこか外国に住んでいるかもしれません。

私は自分自身が遠く日本を離れて英国に落ち着いたので、ムスメにも、

まず自分の幸せを第一番に考えて、自由に生き方を選んで欲しいです。

 

独身時代が長かったオットーは、家事が苦になりません。

現にこうして私が住み込み介護のため一週間単位で家を空けても、全然オッケーです。

なので男やもめになっても、何の不都合もなく暮らし続けられることでしょう。

おかげで私は、後に残るオットーの心配をせずに先立つことができるのです。

 

寂しい老後が不安ならば、ベティーさんのように、もっとマメに友達に電話したり、

バースデー・カードを送ったりしろよって話ですよね。

でも私、そういうの、ほんとダメなんです。

『便りのないのは元気な証拠』 主義なので、用事もないのに電話をかける気にはなれないし、

バースデー・カードもやりとりする必要を感じないし、

不精なのでメールを含め手紙もなかなか書く気になれません。

こんなんでは友達関係が続かないのは当然。

従って、寂しい老後になるのは必至でしょう。

 

でもだからといって、寂しい老後を避けたいがために、無理して社交活動をする・・・というのも間違いだと思うんですよね。

自分が将来寂しくなりたくないから、自分を曲げて偽って、無理して友達をキープする?

それは、そんな風に無理にキープされる友達に対しても、失礼だと思います。

利己的な動機で、友達関係を続けるわけですから。

友達というのは、損得勘定ぬきで、付き合いたいから付き合う相手のはず。

それに自分を偽って無理していたら、やがてはそれも空しくなって終わりが来そう。

一度きりの人生だから、自分らしく・無理せずに・自然体で生きるのが、最善と思うのです。

 

それにたとえ無理せず友達関係が続けられたとしても、高齢になればなるほど

死別により友人が減っていくことは避けられません。

たとえばベティーさんより一歳下なだけの義母(94歳)。

義母も昔はそれなりに友達がいましたが、一人また一人とこの世を去られていき、

現在は子供たち(オットー・義弟①・義弟②・義妹)しか電話する相手がいません。

否、まだ存命の友達が残っているのかもしれませんが、義母自身の記憶力の大幅な低下(私は認知症の

初期段階を疑っています)のため、アドレス帳を開くことは一切なくなりました。

以前は忘れずに送っていた家族全員へのバースデー・カードも、去年あたりから送らなくなりました。

 

こんなふうに、生まれ落ちてから広がる一方だった個人の世界は、

最盛期を折り返し地点として狭まりはじめ、終末期にはちっぽけなものになるのでしょうね。

そうそうベティーさんですが、ご友人が多いのはマメだからなだけでは、もちろんありません。

明朗快活で好ましいお人柄であることも大きな理由です。

そんな良い性格の持ち合わせもない私は、やっぱり寂しい老後決定ですね。

 

でも人は人、自分は自分。

友人が多い高齢者もいれば、友人が皆無でひっそり暮らす高齢者もいるでしょう。

それが普通だし、それが自然。

大病も大怪我もせず夫婦そろって還暦を迎えられたことに感謝しつつ、

これからも無理せず自然体で、生きていこうと思います。

 


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