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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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ディアトロフ峠事件 ・ 後編

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《 中編からのつづき 》

 

近年の雪がない季節のディアトロフ峠に、発見されたテントのモノクロ写真を重ねたらしい画像です。

 

 クローズアップするとこんな感じだそうで・・・・・ 遠くに赤丸で囲んであるのが、一行が逃げて行った、1.5km離れた森ってことでしょうね。

こうして見ると、森はキャンプサイトよりかなり低い位置にあることがよくわかります。

 

 

現場の状況がわかりやすいイラストを見つけたので拝借。



遺体の位置関係がデタラメではありますが、それぞれの発見場所をイラスト化したものもありました。

 

本当に本当に、不気味な事件・・・・・

スキー遠征に慣れた一行だから、いや慣れていなくとも常識でわかるだろうけど、

きちんと着込まずに酷寒の雪山にいたら、長く持ちこたえられないことはわかっていたはず。

いったい何が、若さと体力と知力を備えた9人の若者を、パニック状態でテントから飛び出させたのか。

彼らは何を怖れてなかなかテントに戻れなかったのか。 リーダーのディアトロフを含む3人は戻ろうと決心したらしく

杉の木とテントの間で発見されましたが、途中で力尽きてしまったらしいところをみると、

テントを逃げ出してからかなりの時間が経っていたようですもんね。

そしてテントを飛び出してから6~8時間後には、9人全員が死亡していた・・・・・


こちらのサイトで、事件の経過が時間を追って推測されています:


2月1日午後6時から7時頃: 一行、夕食をとる。

午後7時から10時頃: 一行のうち数名は就寝前にくつろぐ。 テントを飛び出したときしっかり着込んでいなかった者も

いたところをみると、何の異常も感じずそれゆえ何の懸念もなく休んでいた様子。

午後9時半から10時半頃: ディアトロフ峠事件発生。 発生時刻は遺体の胃の内容物の消化状態から

推定されたもの。 パニックした一行のメンバーたちは種々の着衣状態のままテントを切り開き、

近くの森まで駆け下る。 酷寒の外気温の中では凍死するまで長くはかからないことはわかっていたのに、

なぜテントを切り開いた? なぜ通常の方法でテントから出なかった?

メンバーたちは最初は散り散りの方向に走ったが、300m前後の距離で一緒になったらしいことが、

発見された足跡からわかっている。

午後10時から11時頃: 絶望的な寒さの中、しかし何らかの理由でテントに戻ることを死ぬほど怖れ、

メンバーたちは焚火をする。 彼らはその場に2時間ほどいたらしい。 焚火は多少の助けにはなるが、

焚火だけではやがて全員が凍死することが明らかだ。 ヒマラヤスギは大木だが、それでも

テントからはかなり低い位置にある。 メンバーの誰かが、おそらくテントの様子をうかがうために、木に登る。

絶望し正常な判断力を失いつつあったディアトロフとジナイダとルステムが、テントに戻ろうとする。

すでに低体温症、あるいは別の原因で半死の状態にあった3人は超人的な努力をするも、

それぞれが途中で力尽きる。

2月2日午前0時から1時頃: 残るメンバー6人は希望をもって待つが、何も起こらない。

ユーリ・ドロシェンコとユーリー・クリヴォニシチェンコが低体温症で死ぬ。

(2人はディアトロフたちがテントに向かう前に死に、それがディアトロフたちに行動を起こさせた可能性もある。)

午前0時半から1時半頃: 残る4人は、死んだ2人から衣類をもらい受ける。 リュドミラはユーリー・クリヴォニシチェンコの

ズボンを半分に切り、両足をそれで包む。 4人は森の奥へと進むことにする。

4人が負傷したのはこのときである可能性が高い。 渓谷へと下りた4人は固まって互いを暖めようと試みるが、

ニコライが死亡。 続いてリュドミラが胸部損傷と低体温症で死亡。 セミョーンがリュドミラのコートをもらい受ける。

午後12時45分から1時45分頃: セミョーンが胸部損傷と低体温症で死亡。

午後9時半から11時半頃: 1人残されて凍え、怖れ、疲労困憊したアレクサンドルは、決して目を覚ますことのない眠りに落ちる。

事件後のあるとき: 森の奥に進んだ4人が死んでから遺体が発見されるまでの間に、何ものかが

リュドミラの舌を引きちぎる。

(セミョーンとリュドミラの両眼が失くなっていたことについての言及はありません。)

 

原因を説明しようとするセオリーはいくつかありますが、どれも決め手に欠けているんですね。

事実をちゃんと織り込んでいないセオリーも少なくないですし。 まぁ事実とされたものが、じつは

間違いだった。 とか、真実を隠すためのでっち上げだった。 とかの可能性もありますが。

何たって舞台は、冷戦時代のロシアでしたからね。


いくつかのセオリーをマンガにしたものを見つけたので、これもこちらから拝借しちゃいました。

 

・・・キャンプを移動するなら、ちゃんと暖かく着込んで装備をまとめてから移動するのでは・・・?

 

うん、当時のソ連政府ならやりかねない!と、 『チャイルド44』 を夢中になって読んだ私には思えます。

でもこれでは、外傷を残さずに圧死させられた二人の死因が説明できません。 当時の新兵器?!

テントに向かった3人のうち1人が大量出血していたというのも初耳だし。

 

個人的には単純に雪崩だったと信じたいですが、でもそれでは遺体の着衣から放射能が検知されたことや、

両眼や舌がなくなっていたことの説明がつきません。

現場の斜面も緩やかすぎて雪崩は起きにくいし、起きた形跡もなかったと結論されたし・・・・・

 

落雷や静電気でショック死では、やはり両眼や舌をなくしたうえ圧死状態にあった2人の説明がつきません。

 

 雪男なら2人を圧死させることはできたかも。 でも放射能の説明がつきません。 テントに走った3人だって、

そのうち1人しか闘ったような跡はなかったのでは? “「雪男を見た」 と書かれた日記” というのも初耳だし。

 

 

その他にも・・・

★ メンバーの誰かが西側のスパイで山で西側の誰かと会うことになっていたが、その面会が悪い方向に進んだ

★ シベリア強制収容所から逃げてきた犯罪者の犠牲になった

★ 極秘の軍の最新兵器の試験場に入り込んでしまい、巻き添えをくった

★ UFOでやってきた宇宙人に殺された

★ 見てはいけないものを目撃したため政府に暗殺された

★ 他のメンバーに知られていなかったカメラを持っていたセミョーンは、実はKGBの極秘の任務についていた

★ ディアトロフの手に殴り合いをしたような傷があったのは、(多分ジナイダをめぐって)他のメンバーとケンカになったから

★ スキーヤーたちは自然に発生した低周波音の影響でヒステリー状態に陥り、パニックしてテントから飛び出した

・・・などといった憶測が飛んでいるようです。


私個人としては、先ほどの事件経過を時系列に推測したサイトの管理人さんが後々のページで

書いておられる “雪崩と渓谷への転落セオリー” が一番あり得るんじゃないかと思っています。

どういうセオリーかというと:

吹雪のため予定のコースを外れて “死の山” に入り込んでしまった一行だったが、疲れ切っていたし翌朝のスタートに

都合のいい位置だったため、何もさえぎるもののない斜面だったにもかかわらず、緩やかな斜面にテントを張った。

でも軽度の雪崩に襲われるかもしれないという不安はあった。 夕食後にくつろいでいたとき、遠くに轟音が聞こえる。

それは遠くで実際に起きていた軽い雪崩だったかもしれないし、ソ連軍部が秘密裏に行っていた軍事演習あるいは

新型戦闘機のテスト飛行のエンジン音だったかもしれない。 雪崩が迫っていると思い込みパニックしたメンバーたちは、

テントを切り開いて逃げ出す。 真暗闇の人里離れた雪山。 テントの状態を見極めようにも、何も見えない。

テントは雪崩でつぶれてしまったかもしれないが、このままではどうせ皆死ぬ。 3人がテントに向かうが、途中で力尽きる。

2人が杉の木の下で凍え死ぬ。 残る4人は森の奥に進むが、渓谷の深い部分に転落する。 うち1人が頭蓋骨骨折を、

2人が重傷の内部損傷を負うが、雪がクッションになったため、内部損傷を負った2人には目立つ外傷は残らない。

やがて4人も、損傷と低体温症で死ぬ。 うち2人の両眼と1人の舌は、野生動物によって奪われる。

メンバーの衣類から検知された放射能は、工学部学生だった彼らが実験中に付着したものだった。


このセオリーに傾く一方で、ミステリーはミステリーのままであり続けて欲しいという願望もあったりします・・・



9人の若者が命を失った現場には、その後慰霊碑が建てられたようです。

背景が森になっているから、最初の2人の遺体と焚火の跡が発見された場所かな?

 

 

今の季節だと、あたり一帯はこんな風に雪景色でしょうね。

 

 

 

 

急病のため遠征から脱落し、結果として命拾いしたユーリー・ユーディンは、かつて言ったそうです。

“もしひとつだけ神様に質問できるなら、 『あの晩私の友人たちにいったい何が起こったのですか?』 と尋ねたい。”

(彼自身はソ連軍部がこの事件に深く関与していて、真実の隠蔽に大きな役割を果たしたと信じていたそうです。)

 

私も、そしておそらく世界中が知りたいっ!ですが、今となっては真実は永久に明らかにならないかもしれませんね。

真実をすすんで話してくれそうな人々は、あの夜に全員亡くなってしまったのだから・・・・・。

 

犠牲者たちのご冥福をお祈りします。

(興味本位で散々詮索したくせに白々しい ↑ ですが。

 

 

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