バイクのヘルメットに取り付けられていたカメラの映像。
動画はこちら。
バイクに乗っていたのは、デイヴィッド・ホームズ(38歳)。 《敬称略》
去年7月に起きた事故で、彼は即死した。
母親のブレンダ(62歳)は、定年退職した元看護師。
「息子の死からポジティブなものが得られれば・・・」 と、映像を公開した。
「(映像公開で)ひとつの事故が防げれば、ひとつの家族が、私達が味わった悲劇を味わわずに済む。
それだけでも、デイヴィッドの死は無駄ではなかったことになるわ。」
ヤマハFJR1300に乗ったデイヴィッドは、事故の数分前に何台かの車を追い越し、交差点へと接近していた。
道路の制限速度は、時速60マイル(97km)。
デイヴィッドのバイクは、97マイル(156km)は出ていた。
「デイヴィッドはかなりスピードを出していたわ。 スピードとバイクを、それは愛していたから。」
16歳の誕生日に初めてのバイクを贈られたデイヴィッドは、興奮して跳び回って喜んだという。
「デイヴィッドの父親は彼に最初のバイクを買ってやったことを後悔しているけれど、
私にはデイヴィッドがバイクに乗ることを愛した22年間を奪う気にはなれないわ。」
「最も悲しいことのひとつは、デイヴィッドが死の直前に、まさに何が起ころうとしているかを悟ったであろうことね。
彼は生の最期の最期に、瞬間的な恐怖を感じたに違いない。
そのことがどうにも辛くて、心の持ち様がわからないの。
デイヴィッドは最高に素晴らしい息子だった。 彼の死は私達の心に、どうしようもない虚無感を残した。
何もかもが変わった。 私達の人生も、あの日に終わったわ ・・・」
デイヴィッドを死亡させた黒のルノー車の運転手は、右折に入る前にデイヴィッドも、その後に続く車も、見ていなかったことを認めた。
今年4月、危険運転による過失致死を認めた運転手は、130時間の労働奉仕と18ヶ月の免許停止の判決を受けた。
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・・・ 痛ましい事故です。 でも私、死者に鞭打つことになるけれど、デイヴィッドさんもスピードを出しすぎだったと思います。
いくら田舎道だって、横から突然車が飛び出してくるかもしれない。 そんな時、バイク乗りは大変危険ですよ。
生身の身体でバイクに乗っているんですからね。 車に乗っていれば、一応金属の箱に守られているのと違って。
デイヴィッドさんの場合は、事故相手の車の運転手が、彼のバイクはおろか後続車も見ていなかったというどアホでした。
基本の基本である 『安全確認』 をせずに右折を開始したんですから、事故が起きるのは必然だったのでしょう。
でも、もしデイヴィッドさんが制限速度内で走行していたら? ひょっとしたら命は助かったかも?
考えずにはいられません。
オットーも近年、バイクを所有していたことがあるんです。 数年間夏だけ乗り回して、5、6年前に売り払いました。
若い頃、まだ車が買えなくて最初はバイクに乗っていたそうです。
車が買えるようになってからは、実用面ではかなわないのでバイクはやめて車ばかりを乗り継いできましたが、
風を切って走るあの爽快さが忘れられなくて、中古のバイクを買うことにしました。
選んだのは、Kawasaki Zephyr 1100 (カワサキ・ゼファー1100)。
バイクって、ナナハンつまり750ccですごく大きいし重いですよね?
この1100ccは、車体を傾けようと試みたものの、私には1cmも動かせませんでした。
ヒョロヒョロと細身で力なさそうだけれど、これを動かせるなんて! と、オットーを見直した次第です。
慎重な性格のオットーだから、ちゃんとバイク用の防護服とヘルメットを装着し、制限速度内でダーズリーとその周辺の田舎道を乗り回していました。
それでも常に生身の身体をさらしているわけだから、オットーがバイクに乗って出掛けている間は心配でしたよ。
ちょうどこのバイク事故防止キャンペーンCMがテレビで流れていた頃で、「このCMはショッキングだ」 とオットー自身も言っていました。
冬は寒いし(←当然)路面が凍結すると危ない。 夏は防護服とヘルメットを装着して乗ると暑すぎる。
となると、快適にバイクに乗れる期間は限られてきてしまう。
いろいろ考えたオットーが3、4年でバイクを手放してくれたときは、ほっとしました。
いくら自分が制限速度内で慎重に運転していても、避けようがない事故もありますから。
デイヴィッドさんの母親を尊敬します。 スピードを出し過ぎていたデイヴィッドさんも批判されるであろうことは承知の上で、
それでも息子の死から何かポジティブなものが得られれば、と映像を公開したのですから。
車を運転するということは、私のようなトロでも 『走る凶器』 になり得るということ。
それを肝に銘じて、安全運転を心がけなきゃ!と改めて思います。
自分はもちろんのこと、愛する家族のためにも。