今月のみの期間限定セール中の、私のペーパーフラワー。
棚の上段の左端に置いたお知らせとは・・・・・
・・・・・こういうものです。
ウォーク・フォー・ダニエル
この花の売上はすべて、ブリストルに住む12歳のダニエルくんが生活を一変させるような手術を受けられるよう
1万ポンドの資金を集めるためのアピール “ウォーク・フォー・ダニエル” に寄付されます。
脳性麻痺を患うダニエル・ホワイトくんは現在のところ常時車椅子を使用していますが、筋肉の緊張を和らげる
手術が必要不可欠です。 私の娘は毎年開催される障害児のためのサマー・キャンプでダニエルくんと
知り合いました。 ダニエルくんはDr.Whoが大好きな、ちょっぴり生意気で心優しい12歳の男の子です。
詳しくはこちらをご訪問ください: JustGiving - Walk for Daniel
JustGiving のダニエルくん(仮名)のページはこちら。 ムスメが友人3人と立ち上げた、寄付を募るページです。
私たちはダニエル・ホワイトのために1000ポンドを集めることを目指しています
私たち “ウォーク・フォー・ダニエル” チームは8月20日、脳性麻痺を患うダニエル・ホワイトが生活を一変させる手術を受けるために必要な
1万ポンドを集めることに協力するため、イングランド南西部の Tough Mudder レースに参加します。
12歳のダニエルはフルタイムの車椅子使用者で、筋緊張に悩まされています。 彼の家族が彼のために資金を集めている手術は
背部知覚根切断術(Selective Dorsal Rhizotomy=SDR) といい、手術によって彼の苦痛が緩和され、筋力が鍛えられ、
成長とともに少しずつ自力での移動が可能になり、家族が将来彼の世話をできなくなっても彼が自立生活を送れるようになる
可能性を秘めています。 ダニエルは国民医療サービス(NHS)によってこの手術を受けられる通常年齢を過ぎているため、
家族が彼のために1万ポンドを集めなければなりません。
私たちは2015年にスターリングス・サマー・キャンプで初めてダニエルに出会いました。 ダニエルはDr.Whoが大好きな、
ちょっぴり生意気で心優しい男の子です。 彼の存在は私たちがスターリングスで過ごす時間を楽しいものにしてくれます。
他の誰もと同様、彼も自立生活を送るチャンスに値します。
このような理由で私たちは、20kmの泥んこ障害物レース Tough Mudder に参加を決めました。 レース参加に向けて
トレーニングを積まねば・・・!
ダニエルに明るい未来のチャンスを与えるためのご寄付をいただけたら心から感謝します。
読んでいただきありがとうございました!
* * * * * * * * * *
SELECTIVE DORSAL RHIZOTOMY (背部知覚根切断術)
対象: Cerebral Palsy=脳性まひ。 特に Spastic Diplegia (下半身の筋緊張が顕著なタイプ)で、自立歩行ができ、手術後の徹底的リハビリのセラピーに耐え得るものが理想的なこの外科手術の対象者。 少なくとも3才以上、理想的には歩行能力が見極めやすい7才以上で、手術の目的を理解しリハビリに積極的に参加できる者。
治療法: 脊骨に数ヵ所穴を開け、脊髄中の神経腺維で、筋肉から脊髄を通り脳に伝達する知覚神経腺維の知覚根の一部を切断し、緊張を抑え運動能力をより自然にする。 その際運動神経根は切断されない。 顕微鏡を使い、知覚根の一つ一つに電気刺激を与え、筋肉の反応を確かめ、どれが緊張と関係しているか決定しその知覚根を切断する。 4時間から8時間、時には12時間を要する大手術になる。 当手術のリスクとして、間違った神経又は知覚根を切断しすぎた場合、新たな問題を抱えることになり、そういったことがなくても、術後部分的な感覚まひや筋力の弱まりが起こる可能性がある。
効果: 下半身緊張タイプによい結果が多く出ている。 爪先立ちが直ったり、歩行能力の改善などが報告されている。
費用: アメリカ国内での手術費用は3万~5万ドルで、保険でカバーするか、どの程度カバーするかは保険会社によって様々。
(『知りたい噂の治療法』 より抜粋させていただきました。)
* * * * * * * * * * *
ダニエルくんは今月誕生日を迎えるため、間もなく13歳になります。
彼がサマー・キャンプに初参加したのは、一昨年の2015年夏。
3回目の参加となった当時19歳のムスメは、初めて主たる世話役 (通称“buddy”) としてダニエルくんを担当しました。
当時10歳から11歳になろうとしていたダニエルくんは、それまで家族から離れて泊まった経験などなく、送ってきた家族が
キャンプを去ってしまうとしばらくは感情的になっていたそうです。 でも似たような境遇の同年代の仲間に囲まれ、時間が経つにつれて
未知だった環境に次第に慣れていき、その晩の終わりには気分も落ち着き笑顔を見せるようになりました。 それが土曜日。
ところが、翌日曜日。 ダニエルくんのお母さんが車で突然現れ、ダニエルくんを連れて帰ってしまいました。
初めて担当を任されたダニエルくんに去られたムスメは責任を感じて涙が止められず、他のボランティアたちに慰められても
気持ちが沈んだままだったそうです。
ダニエルくんとムスメのツーショット
再「ところが」、水曜日。 お母さんの運転で、ダニエルくんがキャンプに戻ってきました!
そしてキャンプが終わる土曜日まで、それは楽しそうに新しい友達との時間を満喫したそうです。
キャンプから戻ったムスメに事の顛末を聞いて、私も嬉しくなりました。 ムスメによると、ダニエルくんはキャンプに適応しつつあったから、
原因はお母さんにあったのかもしれないな、と。 お母さん、初めてダニエルくんを他人に託す・・・それも一週間も・・・ことが心配で、
罪悪感みたいなものにも追い立てられ、我慢できなくなって日曜日に迎えに来てしまったのかも。 でも帰宅したダニエルくんが
「キャンプに戻りたい」 と訴えつづけたため、根負けして水曜日に連れ戻してくれたのかも。
ダニエルくんにはお姉さんがいて、でもご両親とくにお母さんは普段はダニエルくんのためにより多くの時間を費やさざるを得ないため、
お母さんは娘さんとの女同士の時間を持つのをとても楽しみにしていたそうです。 そして水曜日から土曜日までは、初めて母娘で
充実した時間を過ごせたとか。 そんな話を聞いて、私も嬉しくなりました。
その年のクリスマス前。 ダニエルくんには内緒でお母さんと連絡を取り合い、キャンプに参加した友人2人とムスメ、
ブリストルのショッピング・モールでダニエルくんにサプライズ再会をプレゼント!
ダニエルくん、嬌声をあげて大喜びしてくれたそうです。
ムスメは17歳だった2013年に、スターリングス・キャンプ(仮名)に初参加。 初めてキャンプのことを聞いたときは (介護経験など皆無のまだ半分コドモに
他人様のお世話などできるんだろか・・・?) と心配だったけど。 ムスメによるとキャンプは 『地球上で一番ハッピーな場所』 だそうです。
「キャンプのおかげで日常生活では出会えないような様々な年代・出身・背景・職業の人たちと知り合えたし、誰もがキャンプで過ごす
一週間をそれまでで最高の一週間にすることだけしか頭にないの! 一年のうちの世間から隔絶された一週間が、
自分にとってこれほど大きな意味をもつことになるとは思ってもいなかった。 私の一年はサマー・キャンプで終わる。
サマー・キャンプが終わって家路につくときはどうしようもなく心が沈むけれど、家に着いた瞬間から翌年のキャンプへの
カウントダウンが始まる。 今後もできる限り、許される限り、キャンプに参加し続けたい。」 と。
ハラハラドキドキの風船シェービングと、風船が破裂した瞬間
あんぱん競争ならぬドーナツ食い競争をするダニエルくん(下左)
ムスメに “Walk for Daniel” のことを聞き、ムスメが泥んこレースで奮闘するのなら私も何らかの形で
協力したいと思い、7月の期間限定のセールの売上をすべて寄付することにしたわけです。
ダニエルくんが初参加した一昨年は、キャンプ創設80周年でした。 ダニエルくんとムスメ。
障害児の “バディー” には、同年代の若者が選ばれるそうです。 被介護者と介護者ではなく、一緒の時間をめいっぱい楽しむ
友達同士であれとの趣旨からでしょう。 だからムスメは、近い将来 “バディー” から外されることになります。
でもムスメは 「社会人になっても、裏方でも雑用でも何でもいいからキャンプに参加し続けたい!」 との決意でいます。
今年のキャンプはもうすぐ。 参加5回目となるムスメは、去年ももちろん参加したダニエルくんとの再会を楽しみにしています。
家でダラダラ過ごしていたら決して得られなかった経験を、ムスメに与えてくれたスターリングス・キャンプ。
心からの感謝とともに、その繁栄と永続を祈ります。