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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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“MARROW” とアンソニー・ノーランくん

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“MARROW” (骨髄移植ドナー登録の啓発活動)のイベントのため、先週末ノッティンガムを訪れたムスメ。

ムスメがMARROWに参加するようになったのは、レスター大学時代でした。3年間の大学生活のうち2年目と3年目にハウスメイトになったのがきっかけで良い友達になった2人の医学生の影響が大きかったと思われます。

 

 

Marrow is a network of student groups that help save the lives of people with blood cancer

 MARROWは血液の癌に侵された人々の命を救う学生グループのネットワーク。

  

  

 ムスメたちのグループ(ムスメは前年にレスター大学を卒業してしまっていたけど)は今年の4月、啓発活動の一環として Tough Mudder にチャレンジしました。2度目のムスメは余裕だった・・・かな?

  

   

 今年の泥水プールは低身長のムスメでも足が届く深さでホッとしたそうです。   (参: “Tough Mudder” 見物記①

   

 MARROW の目的は、つぎの3つ。

■ 英国内の大学において、アンソニー・ノーラン(後述)と血液の癌に関する啓発活動をおこなうこと。

■ すべての学生に幹細胞のドナー登録者となる機会を提供すること。

■ アンソニー・ノーランの重要な活動をサポートするための資金を集めること。

MARROW グループは現在50以上あり、その活動によりこれまでに10万人以上がドナー登録をしています。またMARROWを通じてドナー登録した100人のうち1人が実際にドナーになっていますが、これは平均よりずっと高い成功率です。そして“アンソニー・ノーラン”に提供された幹細胞のうちじつに28%が、MARROWの活動によるものです。

 

 今から20年前の、1998年。友人たちと夕食を共にしていたノッティンガム大学の学生ジェームズ・クストウの元に、母親から電話が入りました。彼の幼馴染のカレンが白血病に侵され、命を救うには骨髄移植が必要だというのです。友人たちの助けを借りて、ジェームズは大学のキャンパス内で“アンソニー・ノーラン登録”の啓発活動を行い、骨髄ドナー登録を呼びかけ、大成功を収めました。ジェームズたちは自分たちの活動を MARROW と名づけ、その後も定期的にイベントや啓発活動を続けました。

骨髄移植手術を受けたカレンでしたが、悲しいことにその後病気が再発してしまい、4ヶ月後に死亡。しかし彼女を救うために始まった MARROW の意志は生き続けているのです。

・・・そうか、MARROW 発祥の地はノッティンガムだったのね。だからムスメたちも先週ノッティンガムに行ったのか。

 

 ドナーになるための条件は、16歳以上30歳以下であること、体重が50kg以上であること、健康であること。年齢制限が設けられているのは、若い人の方がドナーとして選ばれる確率が高いこと、若いドナーから提供された骨髄の方が患者の生存率が高いこと、また若い人の方が心臓病や糖尿病などの余病を患っている可能性が低いこと、などの理由からです。

もちろん30歳を超えた人でもドナーになり得るので、一度ドナー登録すると60歳まで登録に残ります。しかしながら、命を救う移植手術の必要が一刻を争うときに選ばれたドナーがその後不適切と判明すると、貴重な時間が無駄になります。そのためドナーとして適合する確率の高い若い人々に登録してもらうことが大切なのです。さらにつけ加えれば、ドナー登録するには一人につき40ポンドかかります。資金源が限られたチャリティーには、ドナーに選ばれる可能性の高い人々に的を絞ることが必要なのです。

 

 

( つづく )

 

 

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