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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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ロンドン流血の5日間

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トニー・イーストレイクさん(55歳)は、『イズリントンの花男』。

14歳のときからずっと同じ場所で、花を売り続けてきたそうです。

 

バンク・ホリデー・ウィークエンドで三連休だった先週末の、5月29日(土)。

まだ日も高く人通りも多い午後5時20分頃、いつも通り花を売っていたイーストレイクさんは、刺殺されました。

 

救急ヘリが到着したものの、イーストレイクさんはすでに死亡していたそうです。

 

フレンドリーで笑顔を絶やさなかったイーストレイクさんを偲び、人々が集まって弔意を表しました。

 

当初は強盗が動機と疑われましたが、その後容疑者として逮捕されたのは、今年4月に急死したというイーストレイクさんの元恋人の息子(21歳)。

とすると、個人的な恨みが動機でしょうか・・・?

 

 

 

ロンドンでは5月29日(土)から6月2日(水)までの5日間に、殺傷事件が8件もあったそうです。

 

5月30日には逮捕の際抵抗した容疑者により、警察犬カイザーが頭部を5箇所も刺されました。

なんて痛々しい・・・ 命に別状がなかったのがせめてもの救いです。ありがとう、カイザー!!

       

ハンドラーのウールコット警官とパトロール中だったカイザーは、「裏庭に誰かが侵入した」という通報を受けて駆けつけました。

追いつめられた容疑者(43歳)は、カイザーの頭頂部を4回と目の下を1回ナイフで刺したそうです。

それにもかかわらずカイザーは、容疑者が捕縛されるまで容疑者を放しませんでした。

カイザーは獣医に搬送され、傷の縫合を受け、経過観察のため一晩入院したそうです。

警官の一人も逮捕の際手首を折り、しばらくの間病欠を余儀なくされました。

容疑者は精神病を患っているため、起訴するか否かは未定だそうです。

 

6月1日午後9時頃には、山刀やナイフで武装した数人のならず者がまだ明るいハイドパークで喧嘩をしたそうです。

凶器を振り回すならず者たち。その場に居合わせた人々、さぞや怖かったことでしょう。

   

 

現在、2019年11月に起きたロンドン橋テロ事件の検視審問が連日行われています。

前科者の更生をサポートするプログラム “Learning Together” に尽力していて尊い命を奪われた、

ジャック・メリットさん(25歳)とサスキア・ジョーンズさん(23歳)。

 

犯人のウスマン・カーン(28歳)は会合の参加者の一人として列車でロンドンに到着し、会場となった“魚屋ホール”に入りました。

 

カーンはロンドンにおけるテロ計画に加担したかどで2012年に有罪になり16年の刑を宣告されたものの、

その半分もつとめないうちに電子タグつきで仮釈放され、前科者の一人としてこの会合に出席していました。

過去を反省し更生を誓う、“矯正された模範的前科者”の一人として。

 

ところが“矯正され改心した”などというのは偽りの演技。ナイフで武装し偽の自爆ベストを装着して、会合に乗り込んでいたのです。

武装警官隊に射殺され、警察のカメラマンに写真を撮られるカーン。

 

前科者の更生をサポートしていた崇高なふたつの若い命を奪って、いったい何を達成しようとしていたのか・・・

まったく、完全に、理解できません。

 

*       *       *

 

検視審問の陪審員からの遺族に向けた声明を読み上げる、

BBCニュースのベテランニュースキャスター、ジェーン・ヒルさん(51歳)。

'The jury would like to send their heartfelt condolences to the families of Saskia and Jack and all who love and miss these two wonderful people.

They touched the lives of so many and we want to convey to the families how seriously we've taken our responsibility.

..... I'm so sorry, it is a very, very emotional statement.' 

「陪審団は、サスキアさんとジャックさんの、ご家族をはじめとするおふたりを愛しその死を悼むすべての皆様に、

心からのお悔やみを申し上げます。

おふたりは多くの人々の心に触れました。私たちは、我々に課された責任を非常に重く受け止めたことを保証いたします。

(・・・ ここで声が崩れて一時休止 ・・・)

申し訳ありません、これはとてもとても、感情のこもった声明です。」

 

ヒルさんにも、私と同様同年代の子供さんがおられるのかもしれませんね。

こんなかたちで突然我が子を奪われるなんて、親にとっては最悪の悪夢です・・・

立ち直ってニュースを続けたヒルさん、さすがプロです。

私だったら涙が止められず、その後は仕事にならなかったでしょう。

あらためてサスキアさんとジャックさんのご冥福を、心からお祈りいたします。・・・

 

ロンドンは、いったいどうしてしまったんでしょうね?

いつ、誰に、何が起こるかわかりません。ロンドンを訪れる際は、皆様もお気をつけくださいね。

ロンドンに行くことがあったら、私も気をつけます!

(気をつけていてもどうにもならない場合が多いけど・・・

 


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