フランスでは連日、抗議デモが続いているそうですね。
年金支給開始年齢を62歳から64歳に引き上げる法案が強行採択されたためだそうです。
チャールズ国王は先週、国王として初めてフランスを公式訪問する予定でしたが、
抗議運動の過激化のため、延期になってしまいました。
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何ヶ月、ひょっとしたら何年も前から計画して、準備して、楽しみにして、ようやくパリに到着した
外国からの観光客の方々には、本当にお気の毒としか、言いようがありません。
一方、意外に思ったのが、
(フランスの年金受給年齢は、引き上げても64歳なの!?ラッキーじゃん!)
ということです。
イギリスの年金受給年齢は、1995年に年金法が改正されるまで、
男性は65歳、女性は60歳でした。
しかし年金法の改正により、2010年から2020年までの移行期間に、男女間の差をなくしつつ
受給開始年齢そのものを段階的に引き上げていくことに。
さらに2007年の年金法で、医療技術や生活水準の向上により寿命が延びたことを鑑み、
最終的には2024年から2046年までの間に受給開始年齢を、68歳まで引き上げることになりました。
下につづく表は State Pension (United Kingdom) - Wikipedia から引用させていただいています。
1950年から1953年の間に生まれた女性は、60歳~65歳で受給開始ということに。
これでまず、女性の受給開始年齢を男性同様に65歳まで引き上げたわけですね。
1953年から1960年の間に生まれた人は、男性・女性ともに、65歳~66歳で年金受給開始年齢に達します。
オットーは1958年生まれなので、66歳で年金受給が開始します。
1960年から1978年の間に生まれた男女は、66歳~68歳で受給開始年齢に達します。
私は1962年生まれなので、オットーより一年遅く、67歳になるまで受給できません。
フランスの抗議活動のニュースを見ていて、(何だかなぁ・・・)と思いました。
誰だって、身体がまだ元気なうちにリタイヤして年金をもらって、自由を満喫したいのはわかります。
私だってそうです。
でも生活の質が向上して、寿命が延びたのは事実。
まだまだ働ける元気な高齢者には、年金受給年齢を引き上げてもう少し頑張って働いてもらわないと、
年金財政は将来、にっちもさっちも行かなくなりませんか?
これは虫歯と一緒で、早目に手を打っておかないと、悪化してからの方が、
是正にはより大きな痛みを伴いませんか?
もちろん身体の故障や病気があって働けない人は、無理してまで働く必要はありません。
でも元気なら、自分のあとに続く世代を助けるために、涙をのんで受給年齢の引き上げを
受け入れるべきでは?と思うのです。
他の先進国の年金受給開始年齢は知りませんが、多くの国は似たような状況ではないでしょうか。
高齢化が急速に進む日本も、年金財政は崖っぷちまで来ています。
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デモ暴徒化 【わかるまで解説】 - FNNプライムオンライン
人々に大きな痛みを強いるような改革、猛烈に反対されるような改革は、誰だってやりたくないはず。
でもどこかの時点で誰かがやらなければ、状況は悪化の一途をたどり、・・・
そうしたら将来、「なぜもっと早く手を打たなかったんだ!?」 なんてことになるのでしょう。
私はマクロン大統領は特に好きではありませんが、彼の年金改革には
「いいね!」 のエールを送りたいと思います。