先週英国下院で可決された、「死を選ぶ権利」への第一歩。
法案を提出しこの新たな動きを率いたのは、
労働党のキム・レッドビーター(Kim Leadbeater)議員(48歳)だったんですが、
法案可決のニュース記事を読んでいて、初めて知ったことがありました。
レッドビーター議員は、今から8年半前の2016年6月に殺害された、
ジョー・コックス(Jo Cox)議員(労働党、当時41歳)の妹さんだったのです。
英労働党の下院議員、対話集会で撃たれ刺され死亡 (2016年6月17日) - BBC NEWS JAPAN
殺害されたコックス英下院議員 哀悼の声相次ぐ (2016年6月17日) - BBC NEWS JAPAN
白昼堂々、周囲に人々がいる中での突然の凶行でした。
犯人は、改造した22口径の猟銃でコックス議員の頭部を2発・胸部を1発撃った後、
ナイフで15回も刺したそうです。
英下院議員の殺害で終身刑 「テロ行為」と検察 (2016年11月24日) - BBC NEWS JAPAN
犯人のトマス・メア(当時53歳)は過去に精神面での問題があったナチズム傾倒者で、
リベラルでEU残留を支持し移民の擁護に積極的だったコックス議員に一方的に憎悪を募らせた結果、
彼女を標的にしたとされました。メアは「仮釈放の可能性のない終身刑」を言い渡されました。
犯人は、一国会議員を殺害することで、いったい何を達成できると思ったのか・・・
などという質問は愚かですね。
考え方がとうの昔に正常なレールを外れ、狂ってしまっていたのでしょうから。
まさに「気違いに刃物」です。
コックス議員のお子さんは、事件当時たったの5歳と3歳。
そんな遺児たちのことを思うと、心が痛みました。
突然母親を奪われて、どれほど悲しく寂しく辛い思いをしたことか・・・
幼なすぎて、なぜ母親が命を奪われなければならなかったのかなど、
理解できなかったことでしょうね。
8年後の今は、13歳と11歳、あるいはそのひとつ上になっているはず。
悲しみを乗り越えて、心身ともに健やかに成長を続けていることを願います。
ジョー・コックスさんのご冥福をお祈りします。