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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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老後の沙汰は、カネ次第 ④

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《  からのつづき 》

 

オットー両親の “終の棲家” 探しは続いていますが、

先週末は夏休みでサウジアラビアから戻ってきていた義弟①一家が南下してきていたので、

オットー両親の気も紛れていたようです。

オットー両親、ダーズリーにある隠居者用住宅を一応見には行ったんですが、やはり狭すぎるとの

結論に達しました。 それで普通の売家を探すことになりましたが、条件がありまして。

 

平屋であること。

平らな土地に立っていること。

 庭は極力手のかからないものであること。

歩ける距離にお店があること。

静かな環境にあること。

 

現在90歳と88歳のオットー両親。 今後足腰がますます弱くなることを見越しての条件であるのはいいことですが、

この全部を満たす家にめぐりあうのはかなり難しいかと・・・・・

まず第一に、平屋は2階建てに比べるとずっと少ないので、売りに出る平屋もずっと少ないんです。

そして売りに出ている平屋は、前庭や車道が緩やかな斜面になっていたり、刈り込みや芝刈りが必要な

大きめの庭がついていたり。

それに、二人が歩ける距離にお店があるとなると・・・ 二人の “歩ける距離” はオットーと私のそれよりもずっと

短いですから。 400mは大丈夫・・・かな? ひょっとしたら300mか200mかも。

そんな近距離にお店があり、なおかつ静かな環境となると、とても難しいのです。

でも歩ける距離にお店って大事ですよね。 オットー父が車の運転をあきらめなければならない日は、

そう遠からずに来るのは間違いないのだから。

そもそも90歳現在で運転していること自体がコワすぎるのだし。

 

今回の記事には特に画像がないので、私の今日のサンポの画像を織り交ぜてお届けします。

草原に入ってから私達の家のある辺りを振り返ったところと、草原の踏み段。

 

ケイトーと一緒だった頃は羊は我先にと逃げ出したものですが、私だけだと結構強気でなかなか逃げません。 (下右はズームアップだけど。)

 

 草原の端にあるこの踏み段の向こうの右手には、パットゴルフ場?が作られた可愛い庭のある家が。

 ちゃんとホールに旗まで立てて、カワイイ  この家の人がプレイするのかな? それとも遊びに来たときのお孫さん用?

  

 ミニサイズのパームツリーとカラフルなお花が素敵。 下右は先ほどの踏み段を振り返ったところ。

  


新聞記事によると、老人養護施設に入居した高齢者は、平均で2年強で亡くなるそうです。

仮に2年半で亡くなったとすると、イコール30ヶ月、130週。

介護料を含めた入居費用が一週間850ポンド(≒11万5千円)として、2年半だと:

110,500ポンド(≒1,492万円)。

 

でもこれ以外にも諸費用がかかりますからね。 衣類とか、嗜好品とか、散髪代とか、病院へのエスコート代とか、

他にも現在の私には思いつかないあれこれ。

夫婦がともに養護施設でお世話にならざるを得なくなれば、それだけで2人分で3千万円。

さらに! 都合よく (?) 2年半以内にあの世に行けなかった場合は、その後も費用はかかり続けるわけで・・・・・

まさに少し前に興味深く読んだ発言小町の長生きは人生のリスクそのものです。

世界でも有数の長寿国日本。 近年は老後破産だの下流老人だのといった言葉も聞かれます。

老後貧乏から下流老人に転落する分かれ目はどこか

50歳で手を打たないと下流老人に!

50を出て久しい私たち。 『揺りかごから墓場まで』 と謳われたイギリスの社会保障制度も、遠い過去の話になりましたからね。

身につまされます・・・


道路に出たら、その脇のお宅の住所標識が立派でした。 塀の上にスペースを作って花を植えてあるのは見たことあるけど、

独立してこれだけというのは初めて! 

 

 道路を渡って次の草原に入ったら、隣の牧草地に馬が一頭いました。

 

その向こうには、モミの木?がたくさん植林されていました。 クリスマスに売るのかな?

その次の一面は、まだ丈は短いけれど、麦畑です。 (去年黄金色に輝いていたのと同じ麦畑。)

 

かつてケイトーと歩いたフットパス。 ケイトーのおかげで多くのフットパスを見つけることができました。

 

今日は、イギリスにもこんな好天の日があるんだぁ! と驚くほどの好天気でした。

 


浅薄な知識しかない私ですが、イギリスでも、贅沢さえしなければまともに暮らせるだけの年金がもらえたのは、

オットー両親の世代が最後ではないかと。 そしておそらく私たちは、定年(現在は65歳だけど私たちがその歳に達するまでには

67歳に引き上げられる可能性アリ)後も何かしらの副収入を得なければ、とてもじゃないけど暮らしていけないのでは。

と、今から覚悟しています・・・。

さらにオットーか私、もしくは二人ともに、認知症にかかったら? 養護施設で何年生きることになる?

そしてそうなった場合、あの世からお迎えが来るまでに、最終的にはいったいいくら遣うことに・・・??


よどんだ小川のほとりに、いつもいる牛たち。 うち一頭は、私をガン見。

 

廃工場のような建物の脇を通ると、間もなく住宅地の隅っこに出ます。 下右は私が出てきた隅っこ(中央奥)を振り返ったところ。

 

像の親子が描かれたガレージの扉がありました。 ユニーク!  周囲が明るくなって、いいと思う。

  

 

そして老人養護施設で暮らすうちに自己資産が尽きてしまったら、福祉サービスに用意された施設に

移らなければなりません。 それがどんなにひどいところであろうと。 つまり、真面目に働いてそれなりに資産を

つくったところで、運悪く介護が必要な状態で長生きしてしまったら、一生のうち一度も真面目に働かず、

福祉手当で生き延びてきた怠け者と同じ施設で終わるかもしれないわけです。

これってほんと、頭に来ますよね!

遊び呆けてきたキリギリスと同じ終末を迎えることになるかもしれないとなったら、真面目に働く働きアリなどいなくなるのでは?

実際私の同僚にも、「私の親には子供に遺産を遺そうなどと考えず、散財を楽しんでとアドバイスしている」 という人がいます。


いろいろ考えると、

何が起ころうと安心して老後を終えられるだけの資産を蓄えるということは、庶民には不可能。

というのが、私が出した結論です。

数千万円あったって、夫婦二人そろって介護が必要な状態で長生きしたら、いずれは尽きてしまいますから。

億万長者で、預金の利息だけで介護費用がすべて賄えるほどのケタ違いの金持ちでない限り、

安心はできないでしょう。

まさに、老後の沙汰は、カネ次第。


・・・考えれば考えるほど暗くなりますから、老後のことは考えない方がよさそうですね。

(そして、こうなるとやはり重要性を帯びてくるのが、ディグニタスの存在だわ・・・)


 

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