4年前の2015年2月17日、
ロンドン・ガトウィック空港から3人の女子学生がイスタンブールに向けて飛び立ったんです。
ロンドンのベンサル・グリーン・アカデミーに通っていた学友たち。
上下画像ともに、左から:
カディーザ・サルタナ(Kadiza Sultana)、シャミーマ・ベガム(Shamima Begum)、アミーラ・アベース(Amira Abase)。
当時の年齢は、サルタナが16歳、あとの2人は15歳でした。
3人のトルコ入りの目的は、シリアにもぐり込んでISILのジハード“戦士”の妻になること。旅費は家にあった貴金属を売って
(新聞では“stole jewellery from home”となっていたので、親のものを、勝手にでしょうね)工面したそう。
3人にはもう1人、シャミーナ・ベガム(Sharmeena Begum: 3人のうちの1人シャミーマ・ベガムと混同しないようご注意)
という同学年の仲良しがいて、シャミーナは3人に先立って前年12月にシリア入りしていました。
シャミーナがISILに加わったあと、ロンドン警視庁はシャミーナに関する警告を文書にしたものの、3人の親宛に郵送する代わりに
なぜか3人に託した(学校を通じて?)ため、文書は親の目に触れることはなく、3人が英国を出てから家族によって発見されました。
このことで批判を受けたロンドン警視庁は3人の家族に謝罪しましたが、それとは対照的に、当時のキャメロン首相は明言。
「ISILに加わる人々が出たからといって、警察がスケープゴートにされるべきではない。
テロ組織に加わるため国外に出る人間は法を犯しているのだから、その結果を受け止めなければならない。」
( よくぞ言ってくれました! 大賛成!!
)
3人のうちの1人シャミーマ・ベガムは、ツィッターやISILメンバーのブログを通じて過激思想に傾倒していき、ヒジャブを着けて登校し、
非ムスリムの学友に罵詈雑言を浴びせ、クラスメートにISILを正当化するビデオのリンクを送るようになっていったそうです。
渡航の際は、年齢をごまかすため2歳上の姉になりすまして出国したと見られています。
イスタンブールに到着した3人は、バスでシリアとの国境を越えてISILの“領域”に入り、“女性達の家”に連れて行かれ、
3週間以内に外国籍ムスリムの“戦士”と結婚。
シャミーマ・ベガム: ガトウィックからISIL最後の砦まで
2015年2月、家族に「外出してくる」と偽ったシャミーマ・ベガムと2人の学友は、ガトウィックからイスタンブールに飛び(1)、バスでトルコを通過し
シリアに入り、数日内にISIL“戦士”と結婚(2)。ベガムの結婚相手は現在27歳のオランダ国籍男性(名前はメンド臭いので省略)だった。
2017年1月、彼らはAl-Mayadinに移る。娘のSarayahが4月に誕生。同年年末近く、ベガムは空爆により軽傷を負う(3)。
ISILの領域が失われるのに伴い、2018年始め、ベガムと家族は南部のAl-Susahに移動。息子のJarrahが3月に誕生する(4)。
2018年11月、カリフ制国家が大きな損失を被る。生後8ヶ月だった息子のJarrahが栄養失調で亡くなる(5)。
家族は2018年の終わり近くにBaghuzに移動。2019年1月、生後21ヶ月だった娘のSarayahが病死する(6)。
2019年2月1日、彼らはシリア軍に降伏。ベガムはこのとき以降、夫の姿を見ていない。彼女自身はバスでAl-Hawlの難民キャンプへと移送された(7)。
消息不明だったシャミーマ・ベガムは、今月始め『ザ・タイムズ』紙のジャーナリスト、アンソニー・ロイドによって
シリアのAl-Hawl難民キャンプにいるのを発見され、ニュースになりました。4年後の現在、彼女は19歳。
オランダ国籍のジハード“戦士”と結婚し娘と息子を産んだものの、2人とも栄養失調と病気で死亡。
シリア軍に降伏した後の夫の消息は不明。
ジャーナリストに発見されたとき3人目の子供を身ごもっていた彼女は、すでに臨月に入っていました。
「もう駄目、これ以上我慢できないわ。英国に帰りたい。このままここにいたら、今私のお腹にいるこの子まで、
先の2人と同様に死んでしまうかもしれない。だから『カリフ制国家』から逃げてきたの。」
戦況の悪化に伴い、避難を余儀なくされる女性たち
彼女、自分とお腹の中の子供に関しては哀れに思っても、ISILに加入し“戦士”の妻になったことについては「後悔していない」とのこと。
斬首も目撃したけれど、斬首される人間は「ムスリムの敵だから何とも思わなかった」。
しかしながら腐敗したISILは同胞を抑圧しているため「勝利には値しない」。
8日前の2月16日、彼女は男児を出産しました。
BBC特派員クエンティン・サマーヴィルとのインタビューで彼女は、「自分はまだ英国の価値観を部分的には支持する」として赦しを乞いました。
ISILに加わることにしたのは、ISIL“戦士”が人質を斬首する場面のビデオや彼らの“恵まれた暮らし”に惹かれたからだと。
しかしサマーヴィルは、彼女が未だにISILのイデオロギーを信奉し、彼らの残虐行為を正当化していると感じ取りました。
マンチェスター・アリーナに於ける爆発物事件に関して問われると、「無実の人々を殺したことは間違いだった」が、
「『自分たちも多国籍軍により爆撃されているのでその報復だ』というのがISILの見解だ」と彼女は述べました。
ヤズィーディー女性へのレイプ、奴隷化や殺害については、「シーア派だってイラクで同じことをしているわ」。
翌日サジード・ジャヴィード内相は、ベガムの英国市民権剥奪を決定したことを発表。
(原則として英国市民権剥奪は二重国籍者に限られますが、ベガムはバングラデシュ国籍も保持しているとのこと。)
ベガムの近親はこの決定を非難しましたが、彼女の義兄はこの決定を支持したそうです。
内務省からベガムの母親宛に送られた、「貴女の娘さんに英国の市民権を剥奪されたことをお伝えください」との通達。
同通達を読んでいるというベガムの画像。
数年前、メディアを使って少女たちに帰国を促した際の、シャミーマ・ベガムとアミーラ・アバースの家族
ちなみに他の2人の消息はというと、私が調べた限りでは:
米国籍のジハード“戦士”と結婚したカディーザ・サルタナはロシアによる空爆で2016年5月、夫とともに死亡。
アミーラ・アベースはオーストラリア国籍のジハード“戦士”と結婚したが、空爆で夫は2016年7月に死亡、彼女自身の消息は不明。
* * *
・・・何考えてたんだ、この3人は・・・
ISIL“戦士”は、= テロリスト!
難民の苦境を少しでも和らげようと救援活動をしていたボランティア男性まで斬首したというのに・・・
あの手この手の野蛮で残忍な方法で捕虜を処刑する彼らに、いったいどうしたら魅力を感じられるんだろう。
いったいISILのどこに魅かれたんだろう。やっぱりあれ、平和ボケってやつかしら。
安全な(テロ事件に巻き込まれる可能性はあるけれど)文明国で何不自由なく暮らしていたものだから、刺激が欲しくなった?
それにしたって、たったの15歳かそこらで自分自身を見ず知らずの男に花嫁として提供するなんて、常識では考えられないのでは?
しかもその見ず知らずの男たちというのは、残虐非道で知られるテロ集団のメンバーって!
この3・・・4人はたまたま同じ学校に居合わせたサイコパスたちだったのかしらん。
いくら若かったとはいえ、自分で選んで自分で行動したんですから、
彼女には彼の地で朽ち果てていただきたく思います。
可哀相なのは、彼女の子供たちと親兄弟。
彼女の子供たちは、幼くして死ぬために生まれてきたようじゃありませんか。
子供には親を選べないし、子供に罪はないのに・・・・
彼女の家族も気の毒です。とくにご両親の胸の内を察すると、言葉もありません。
我が娘の言動が過激になっていくのを止められず、心配しつつ見守っていたら、ある日突然家出しISILの仲間になってしまって・・・
そしてその目的が、まだ自分自身が未成年であるにもかかわらず、ISIL“戦士”の妻になることだったなんて・・・
孫が生まれたものの、一目会うことも叶わぬまま2人とも死んでしまって・・・
また1人生まれたけれど、娘自身が英国帰還を拒否されたから、母子の今後はまったくの不透明・・・
内相の決定が公表されるまで、オットーと私は「どうせ帰国を許すんだろうね」とあきらめていたんです。
例のごとく『基本的人権』が登場するだろうし、しかも相手は、出国したときは未成年だったまだ若い女の子ですから。
それゆえ今回の決定には、手放しで万々歳! 100%支持します!!
テロ組織に加入するため出国した人間には、Uターンはないものと思ってもらわねば。
彼女だって、ISILの戦況がスバラしくて満足な暮らしをしていたら、「英国に戻りたい」なんて決して言わなかったはず。
だいいち彼女の場合、ISILに拉致されてそこにいるのではなく、自ら選んでわざわざそっちに出向いた結果そこにいるんです。
思ったような展開にならなくても、それは自分の選択の結果。甘えるんじゃない。
心配なのは、彼女の生まれたばかりの子供です。彼女はバングラデシュとの二重国籍者だったと報じられていますが、
そして夫はオランダ国籍だったそうですが、その後のニュースではバングラもオランダも、
「彼女とその子供を我が国に入国させる気はない」。
だから子供だけは英国入国を許可するというなら、それには私は反対しません。
でも彼女自身は絶対ダメ~! だってもし彼女が英国に戻ったら:
たとえ裁判にかけられても、彼女自身がテロ行為に加担していたと証明するのはまず無理と思われます。
すると彼女は告発すらされずに済むか、あるいはほんの短期間禁固されただけで出て来れることになり、そのあとは、
過激思想グループとコンタクトしないか、過激思想の啓蒙活動をしないか、密かにISIL花嫁のリクルートをしないか、
などを常時監視するため莫大な費用がかかってしまいます。
怒れる一般市民に攻撃されないよう、警備も付けてやらにゃならんし。
私ら真面目に働く労働者の血税を、そんなことに使われたくないわっ!!
と、いうことで、内務省の決定が覆されることのないよう、心の底から祈ります