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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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世界最古の回転木馬

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先月16日に訪れて日本の紙人形を見た、ドイツ・ハーナウ郊外にある人形とおもちゃ博物館。

そこに行くには、ハーナウ中央駅からローカル列車に乗り換えて、さらに2駅行かなければなりませんでした。

駅名は、ハーナウ・ヴィルヘルムスバート(Hanau-Wilhelmsbad)。

地名にBadがついていることからも察せられるとおり、昔は水治療法施設があったそうです。

駅を降りると北側には、広くて静かな公園が広がっていました。

 

小さなお城の廃墟も、池の中島に残っていました。

その左手=西側には、『現存する世界最古』の回転木馬があるそうなので、まっすぐ博物館に行かず、ちょっと寄り道。

 

歴史的文化財なので、もちろん毎日動いているなんてことはなく。でもこの日はラッキーなことに、修復作業中でした。

 

 そのおかげで手前で作業していた男性に許可をもらい、内部の写真を撮らせてもらえました

 

傍らに立っていた、回転木馬の案内板。木馬には、2頭を除いて名前がつけられているようです。残りの2頭もつけてあげればいいのにね?

 

回転木馬をあとに、人形とおもちゃ博物館に向かいました。

 

 

ウィキによる、ウィルヘルムスバートの歴史:

1709年にヴィルヘルムスバートの森で源泉が発見されました。治癒効果があると期待され、スパ施設と公園のエリアの主だった部分が、

1777年から1785年の間に建設されました。しかしながら18世紀末までには、ここで発見されたミネラル・スプリングには治癒力がないとされ、

さらに源泉そのものが1815年に枯渇。スパは1857年に廃止され、現在この地区は、市民の娯楽と憩いの場になっています。


 下は、公園の入口にあった案内板の画像です。

 

ゲルンハウゼンの駅もそうですが、ここヴィルヘルムスバートの駅も、その他多くのドイツの地方駅同様、無人化していました。ゲルンハウゼンの駅舎は

空っぽのまま閉鎖されていましたが、ここの駅舎はビアガーデンつきのレストランになっていて、レストランの開店時間以外は立ち入れないようになっていました。

 

ハーナウに戻る列車は反対側のホーム発だったため、すぐ側の踏切で線路を渡って移動しました。

 

 

“世界最古の” 回転木馬について、もう少し調べてみました。

ウィキによると、ヴィルヘルムスバート州立公園にある“ヴィルヘルムスバート・カルーセル”は、現存する固定カルーセルとしては世界最古。

ヴィルヘルムスバート・スパのメイン・アトラクションとして、1780年に建設されました。

当初は農奴による人力でゆっくり動いていましたが、牛に引かせるようになってから、速度が上がったそうです。

でも一度の乗車料金は、24クロイツァー。最も高いホテルの一泊料金よりも高かったので、カルーセルの乗り心地を味わえる人はそうはいませんでした。

カルーセルを訪れた高名人には、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世、オーストリア皇帝フランツ2世などがいたそうです。

85年以上動いていたカルーセルは、1866年の戦時中、プロイセンの砲撃により損傷を受けました。

独仏戦争の際にもフランス軍捕虜により破壊行為を受けたため、1873年、解体後にオークションにかけられました。

1896年にハーナウの大工ベルンハルト・シェーフがカルーセルを賃借し、2万マルクかけて修復。

馬車の数を4つ、馬の数を合計16に増やし、運転のメカニズムも近代化させました。

1898年から第一次世界大戦まで、カルーセルはふたたび動きました。

1934年から修復作業が始まりましたが、やがて第二次世界大戦が勃発。カルーセルは爆撃され、運転不能となりました。

外側の修復は1964年に完了したものの、メカニズムは修理されませんでした。

1970年には16頭の木馬のうち12頭が盗まれましたが、犯人たちはその後捕まり、投獄されました。

 

1989年、パブに集っていた、カルーセルを愛する地元の有志たちが、カルーセルの修復を目指す同盟を結成。

募金活動、スポンサーシップ、政府や記念物保護財団からの補助金などを通じて精力的に集めた資金をもとに、

2007年からカルーセルの修復がスタートされました。

カルーセルの『家』である建物も修復が必要だったため、建物自体もすっぽり包まれての作業だったようです。

 

《 カルーセルのウェブサイトのフォト・ギャラリーへのリンク: 修復中の様子を垣間見ることができます! 》

修復前のカルーセル

修復のための閉鎖

馬と馬車の他所への移動

閉ざされた扉の向こう

ラストスパート

帰還

 

こうしてようやく修復が終わったカルーセルは、以前の優美さを取り戻して、2016年7月22日に市民にお目見え

 

ただカルーセルに乗れるのは、年に数回の限られた機会しかないみたいです。2020年の操業日は現在のところ未公開。

乗車料金は、大人と12歳以上の子供が4ユーロ、11歳以下の子供2ユーロ。予約乗車はできません。

また乗車は馬車のみで、馬の背に乗ることはできません。飲食物の持ち込み・ペットの連れ込みも禁止。

 

希望すれば、結婚式フォト撮影もさせてもらえるようですよ。(もち有料。)

 

 

《 オマケ 》

2階建ての列車。大抵の場合、2階は1等席なので、私は2等の1階に座ります。

でもたまたま2階が1&2等車というのが来たので乗ってみたところ、途中に1等と2等を分ける透明な仕切りがありました。

 

背もたれの後頭部部分にカバーがついていましたが、座席の幅は変わらないような。きっと足元には、もっと奥行きがあるのでしょう。

1等に乗る予定もつもりも今のところないから、どのみち私には関係ないんですけどね!

 


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