キャプテン・トムの偉業のときはキャプテン(大尉:元ですが)だったトム・ムーア氏でしたが。
その後軍隊から名誉昇級を賜り、カーネル(大佐)に昇進いたしました。
(便宜上この記事内ではキャプテンで通しますのでご了承ください。)
そして迎えた4月30日、100歳のお誕生日。
エリザベス女王陛下から、お祝いのメッセージが届けられました。
(ちなみに英国国籍保持者は、申請すれば誰でも、100歳の誕生日やダイヤモンド婚などのお祝いメッセージを女王陛下からいただけます。私は日本国籍だからダメですが。)
ジョンソン首相からも、お祝いの手紙。
そして世界の国々から届いた、バースデー・カード。 約15万通!が、届いたそうです。
コロナの影響で閉鎖中の学校の講堂に保管されています。
お誕生日当日の朝。
キャプテン・トムのお誕生日を祝うため、英国空軍の旧型機がキャプテン・トムが住む町の上空を通過飛行しました。
その朝私がテレビを点けたのは、ちょうどこの頃。古そうな飛行機が飛び、キャプテン・トムが生中継されていました。
あいにくこの朝は久しぶりに肌寒くて霧雨も降っていましたが、キャプテン・トム、とっても嬉しそう
ケーキは、見えているだけでも5つ。もっとあったかもですね。
近所には、キャプテン・トムの100歳を祝う掲示が。
お祝いスピリットは、全国に広がっていました。
公共サービスにまでも。
キャプテン・トムの募金活動への感謝を表するNHSのスタッフ。
コロナに感染して発症し命を失うかもしれないリスクを冒して治療にあたってくれている勇敢な皆さんです。
こちらこそ、ありがとうございます!皆さんが全員無事に、コロナ禍を抜け出せますように。
ほんのひと月前は、単なる一市民だったキャプテン・トム。今や世界的に有名な”時の人”ですね。
これからもお元気で、長生きされますように!
キャプテン・トムの心意気が集めた募金は、彼のお誕生日をもって終わりを迎えました。
集まった募金の総額は、32,795,852ポンド ・・・ 1ポンド133円換算で、43億6185万円!
この金額は、個人が集めた募金総額としては、オンライン募金サイトJustGivingの最高額だそうです。
それまでの記録は、類稀なる勇気の持ち主スティーヴン・サットンさんがつくった520万ポンド(6億9160万円)だったそうですが、こちらも大記録でした。
私が思うに、キャプテン・トムの新記録樹立には、好条件ばかりが揃っていました。
募金を呼びかける人物が、高齢の、かつてお国のために戦った退役軍人であったこと。
きちんとスーツを着、ネクタイを締め、胸に勲章を飾り、一見で敬意をもたれるいでたちであったこと。
外出規制のためテレビニュースやインターネットでキャプテン・トムの募金活動について知る人々が、普段より多かったであろうこと。
コロナ禍にうんざりしていた人々が、何かポジティブなことをしたい気分にあったであろうこと。・・・
この新記録、今後はきっと長い間、破られることはないでしょうね。
それにしても43億円て! 私には想像もつかない大金です。
きちんと管理され、キャプテン・トムが望んだとおりにNHSのスタッフのために無駄なく使われるよう願います。
ところでBBCニュースによると、キャプテン・トムは1983年のクリスマスの日、BBCのクイズ番組Blankety Blank(1979-1990)に出演していたそうです。
キャプテン・トムは当時63歳。動画はこちら。「16歳と14歳になる娘がいます」なんて言ってますね。
当時のキャプテン・トムは、37年後に自分が世界的有名人になるなんて、夢にも思わなかっただろうなぁ・・・