これは、グロスターシャー州にあるレイヒル刑務所です。
画像はウィキペディア(HM Prison Leyhill)から拝借しました。
ウィキによると、レイヒル刑務所は、もともとは第二次世界大戦用に米軍陸軍病院として建設されました。
終戦後の1946年から刑務所として転用され、1970年代後期から1980年代前期にかけて再建築され、
受刑者たちは1986年に新しい住居設備に移り、2002年には収容者数を増やすため増築もされたそうです。
レイヒル刑務所の大きな特徴は、オープン・プリズン(Open prison)であることでしょうね。
最低限の監視の下で脱獄することもなく刑期を全うすると信用され得る受刑者が移されるのが、オープン・プリズン。
多くの場合、居房に錠をかけられることはなく、受刑者は許可を得られれば外部の仕事に就いたり外出も許されます。
それはオープン・プリズンが、受刑者を罰するための場ではなく矯正するための場であるとの考えに基づいているためです。
仮釈放される可能性が高い受刑者も、社会復帰への準備段階として、オープン・プリズンに移されるようです。
レイヒル・オープン・プリズンの敷地内にはその名もズバリの Leyhill Grounds Coffee Shop なんてのがあるんですね。
土日を除く毎日、午前7時から午後2時半まで営業しているようです。 ・・・今度、話のタネに行ってみようかな?
そ~うなんです!レイヒル刑務所は、私が住む町ダーズリーから、10kmと離れていないんです。
司法制度に、ふたたび幻滅・・・の末尾にも書きましたが。
先日ブリストル北郊にあるショッピング・モールに行ったときなんて、M5高速道路のJ14(J=ジャンクション=インターチェンジ)から
M5に乗りましたが、レイヒル刑務所はそこから2kmと離れていませんでした。
(ちなみにレイヒル刑務所の近くには、女囚を収容するイーストウッド・パーク刑務所(HM Proson Eastwood Park)もあります。)
15歳の少女を、二人も!強姦のうえ殺害したコリン・ピッチフォーク(参: DNAが解決した世界最初の殺人事件)。
そんな凶悪犯が、我が町から歩ける距離にあるオープン・プリズンに移されていたというのはショックでした。
しかも外出を許可され、すでに自由に外を歩いていたとは・・・。
私たちがダーズリーに引越してきたのは、27年前。結婚した翌年で、ムスメが生まれる前でした。
引越して来てしばらくしてから「レイヒル刑務所から囚人が姿をくらました」なんてローカル・ニュースで聞き、レイヒルの存在を知り、
(何か嫌だなぁ・・・)と思ったものです。大抵の場合、逃亡した囚人は路上を歩いているところを発見されましたが。
(ウィキによると、最悪の時期には週に一人以上の囚人が“逃亡”していたそうです! )
でもレイヒルのようなオープン・プリズンに収監されているのは、暴力犯罪を犯した囚人ではないと思っていました。
暴力を伴わない、詐欺や窃盗などの軽犯罪者と思っていました。
この記事のため、ちゃんとウィキを読んでみるまでは・・・知りたくなかった・・・
2016年9月の監査によると、レイヒルの囚人の60%以上が性犯罪者
2017年6月までに、性犯罪を犯した囚人の収容率を90%程度まで引き上げる予定
・・・って!何なのそれ~!!信じられない・・・
オープン・プリズンについてサーチしていて、興味深い記事を読みました。
今、問われる刑務所のあり方。刑罰からリハビリ・教育へ海外でシフト
矯正の可能性がある、暴力を伴わない軽犯罪を犯した受刑者なら、オープン・プリズンもアリだと私も思います。
でも、重度の暴力犯罪や殺人を犯した受刑者は、一般市民の安全を守るため、絶対にオープン・プリズンになど移して欲しくない!
とくに、自己中心的な理由で殺人という究極の罪を犯した受刑者は!
死刑にならないだけ儲けものなのだから、生涯刑務所から出さないで欲しい!
コリン・ピッチフォークは、9月1日に仮釈放されたそうです。
Colin Pitchfork: Double child killer's release confirmed - BBCニュース
しばらくは元受刑者の更生をサポートするホステル的なところに住みますが、いずれは新たな名前と経歴を与えられて、
完全に社会に復帰するのでしょう。どこに落ち着くことになるのでしょうか。
ピッチフォークが最初の強姦殺人を犯していたとき車の中で眠っていたという彼の息子さんは、今は38~39歳になっているはずですが、
父親と親子関係を再構築したいと思っているとは思えません。元妻さんだって、また然り。
ピッチフォークはまさか、「グロスターシャーが気に入ったからこのあたりに落ち着こう」なんては思わないでしょうね。
近くに落ち着かれたら、絶対嫌っ!
一般大衆も、国会議員も、司法相も、ピッチフォークの仮釈放に断固反対していたのに・・・。
もしピッチフォークが再犯を犯したら、仮釈放を決めた更生保護委員会のメンバーは、全員処罰されろ~!
先月見た殺人事件の捜査を追った番組のラストで、判事が述べた言葉が印象に残りました。
(被告は独居の元大学教授の家に強盗目的で押し入り、高齢の被害者を惨殺しました。)
Your selfish, violent and senseless acts have brought anguish, fear and suffering to many.
Nothing can bring back the life that's been lost.
But you have proven yourself to be a highest danger to society and cannot be trusted with freedom again.
あなたの利己的で暴力的で無意味な行為は、多くの人に苦痛、恐れ、そして苦しみをもたらしました。
失われた命を取り戻すことはできません。
あなたは、自分自身が社会にとって最も危険な存在であることを自ら証明しました、
自由であるための信用を失ったあなたが自由になることは、二度とありません。
この被告は、仮釈放の申請が認められない本物の終身刑を言い渡されました。
この言葉、ピッチフォークと更生保護委員会のメンバーたちに、そっくりそのまま贈ります。