ONLINE ジャーニーは、英国情報をさくっとまとめた日本語新聞のオンライン版。
昔、印刷された紙面版しかなかったときは、ロンドンの和食レストランや和物ショップに行けば無料でもらえました(今でももらえます)。
でも私のようなロンドン外の居住者は、有料で定期購読するしかなかったんですよね。
オンラインで無料で読めるようになり、本当に有り難いです。
先週、とても興味深い記事を見つけました。
(この記事 あと4~5日で読めなくなると思うので、お早めにお読みくださいね!)
読んでいて、うんうんと何度も頷いてしまいました。
英国に限りませんが、日本で生まれ育った日本人が外国に永住するとなった場合、老後がちらついてくると、心配になるのが普通でしょう。
高齢のため自分で自分のことができなくなり、仕方なくケアホームに入ったとすると・・・
出される食事で我慢しなければならない。
(和食は誰かが差し入れたり外食に連れ出してくれたりしない限り、もうお目にかかれない。)
現地語で話さなければならない。
(認知症にかかって母国語=日本語しか出てこなくなった場合は、ケアホームのスタッフと意思の疎通ができなくなる。)
現地で生まれ育った入居者たちとは共通の思い出も話題も必然的に少なくなるから、親しい友人ができにくいかもしれない。
(私は一人で好きなことをして過ごすのが好きだしコミュ障気味でもあるので、さらに友人ができにくいと思われます。)
世界大戦時の日本兵の蛮行を聞いたなどして日本人が嫌いな入居者/スタッフがいて、冷遇/嫌がらせ/イジメに遭うかもしれない。
(これは相手の気持ちもわかるし、でも自分ではどうしようもできないことだし・・・。)
黒田氏の記事で触れられていたケアコミュニティジャパンのサイトです。
ロンドン近郊に、部屋数65のケアホームを新築し、2026年の開業を予定している、とのこと。
英国にいながら、日本的な環境の中、日本の伝統行事に触れながら、和食中心の食事を出してもらい、
日本語が一日24時間通じるケアホームで暮らせるとしたら、・・・最高ですね!
私は食いしん坊なので、食事のことは、常々思っていました。自分で料理できなくなったらどうしよう! って。
10年半高齢者専門の病院で働きましたが、患者さんに出される食事はすべて、アルミホイルのトレーに入った調理済冷凍食を、
オーブンで温めただけのものでした。新鮮な野菜を使ったできたて料理など、もちろん皆無。野菜といえば、ミックスベジタブルとか、
茹で過ぎてぱさついたブロッコリーとか、スイートコーンとか。サラダは一食ごとにパック入りされたものがいくつか配布されましたが、
数が限られていたので、早めにサラダ希望を伝えられた人しかもらえないことも多く。前もって注文を聞いておければいいんですが、
患者さんの介護で忙しく、ほとんど実現できませんでした。たまに時間的に余裕があって注文を聞けたときだけ、キッチン部門に
電話連絡して追加を頼むことができました。
メイン料理は、ハムステーキとか、パイとか、フィッシュ&チップスとか、キャセロールとか・・・。
イギリスの人は加齢するにつれて、さっぱりしたものを食べたくならないのでしょうか???
そんな病院食を見てきたので、料理はできるだけ最後まで自分でしたいな、と強く思ったものです。
言葉のことも心配です。もし私が認知症にかかって日本語しか出てこなくなったら、ケアホームのスタッフ以前に、
オットーともムスメとも、意思の疎通ができなくなってしまう!
そういえば、病院で働いていたとき、いました。ある日ロシア人の老婦人が入院されてきたんですが、ロシア語しか話せないので
スタッフの誰とも会話が通じず。身振り手振りで頑張っても、限界がありました。夜になって面会に来る娘さんとしか話ができなくて、
見ていて気の毒でした。そのロシア人女性はまもなく退院していったので、移った先ではロシア語が通じているよう祈りました。
(私は非常勤ヘルスケア・アシスタントとして3つの病棟で働いていたので、詳しいことは知らずに終わることが多かったのです。)
英国に日本人永住者のためのケアホームを!とのプロジェクトは朗報ですから、成功を心からお祈りします。
とはいえ私には縁はなさそうですけどね。入居費用が、とてもじゃないけど、まかなえないでしょうから。
英国のケアホーム入居費をググってみました。
平均のレジデンシャル・ケア・ホーム入居費は、週704ポンド(10万6千円)。
ナーシング・ホームの場合は、週888ポンド(13万4千円)。
レジデンシャル・ケア・ホームとナーシング・ホームの違いは、ナーシング・ホームには有資格のナースが常駐していて、
レジデンシャル・ケア・ホームより高いレベルの医療ケアが提供されることだそうです。
でもこれは、あくまで平均の費用。たとえば我が田舎町ダーズリーから15kmほど離れたストラウドには、何年か前に
高級老人ホームが開業しましたが、病院で働いていたとき噂で聞いたところでは、そこの入居費はなんと、
週1500ポンド(22万6千円)だそうでした。週ですよ、週!
普通の?ケアホームでさえそんな高額なのですから、日本人のためのケアホームは、私にとっては絶対に、
高嶺の花に違いない。宝くじにでも当たらないかぎり、縁はないでしょうね。
自分の老後の状態って、誰にもわからないところが困るんですよね。
ぴんしゃんころりで逝ければ最高ですが、もしそうならなかったら?
介護が必要な状態で、望みもしないのに長生きしてしまったら?
英国は現在のところ、尊厳死を認めていません。
だから自力で海外渡航ができなくなったら、尊厳死はあきらめるしかないですね。
誰かに助けてもらって海外に行って尊厳死したら、その誰かが罪に問われてしまいますから。
私は今でも、もし認知症にかかったら、自力で行けるうちにスイスに飛んで、尊厳死させてもらいたいと考えています。
ということは、まだ認知症が軽いうちに死ななければならないわけで、それは悲しいし残念ですが・・・
自分にとって本当に大切な人たちのことをすっかり忘れてしまっても、介護施設に高額の入居費を払って存在し続けるなんて、
まっぴらゴメンです。そんなお金があったら、ムスメに遺したい。
《 関連記事: スイスの尊厳死幇助組織・ディグニタス / ジェフリー・スペクターの尊厳死 》
去年帰省していたムスメに、何かの折に私の考えを話したら、「そんなことしちゃ嫌!」と強く反対されて目が潤んでしまいました。
実際、まだわかりません。いざとなったら私自身が怖くなって、ディグニタスに行けなくなるかも。
・・・どうかどうか神様、私をぴんしゃんころりであの世に行かせてくださいませ!
(最後変な方向に話が逸れてしまいました、スミマセン・・・ )