7週間ぶり(!)の住み込み介護仕事に戻っています。
午後5時過ぎ、ベティーさん(仮名)がお気に入りのクイズ番組を見ようとテレビを点けたら、女王陛下の健康状態が懸念され、
親族がスコットランドのバルモラル城に集まっているとの緊急ニュースが報じられていました。
やがて入った、女王陛下逝去のニュース。
96歳と4ヶ月の、大往生でした。
父王のジョージ6世が56歳で亡くなったため、25歳の若さで王位につかれたエリザベス2世陛下。
70年7ヶ月の長きにわたって、英国の象徴たる女王として在位されました。
還暦の私が生まれる10年も前から、女王様をされていたことになります。そう考えると、本当に長い!
首相が交代し、新しい首相が就任したばかりの英国。
リズ・トラス新首相が、バルモラル城におられた女王陛下に挨拶に参じたのは、ほんの一昨日のことでした。
(慣習から、この挨拶により「女王陛下がトラス氏を新首相に任命した」ことになっています。)
女王陛下がバルモラル城に留まったままなのは、かなり健康状態が危ういからなのでは?などと懸念されていました。
でも一昨日の時点では、こうしてお元気そうに見えたので安心したんですが・・・
これが庶民が目にした女王陛下の最後のお姿になってしまいました。
(右手の甲に見える大きな痣も、心配を引き起こしました。)
女王陛下の母君であるクイーン・マザーが101歳まで生きられたので、ひょっとしたら女王陛下も・・・?
などと期待していたんですが、それは叶いませんでした。
でも何といっても、96歳ですから。
亡くなる2日前までこうしてご自分の足で立てたというのは、奇跡に近い幸運ですよね。
最愛の夫フィリップ殿下を亡くされてから一年半。
お二人が天国で再会できますように。
英国の象徴としての長期にわたる献身的な奉仕、ほんとうにお疲れ様でした。
どうぞ安らかにお休みください。
* * *
住み込み先のベティーさん(1927年生まれの95歳)は、エリザベス女王陛下の戴冠式(1953年)を、従兄弟の家のテレビで見たそうです。
女王陛下の父王ジョージ6世が戴冠したときはラジオしかなかったので、ラジオで聞き新聞で読んだそう。
女王陛下の祖父であられるジョージ5世がシルバー・ジュビリーを迎えた1935年(!)には、
小学校で紙の冠をつくってかぶり、なにやらお遊戯をしてお祝いしたことを覚えているそうです。
ラジオが貴重品だった時代から、テレビが普及するようになったと思ったら、今やインターネット・・・
エリザベス女王陛下が激動の時代を歩んで来られたことを実感します。
女王陛下が逝去された瞬間、英国君主はチャールズ3世国王陛下になりました。
英国国歌も、これからは God Save the Queen ではなく God Save the King になります。
でも国民の大半にとって、もうずっと長いこと英国君主=エリザベス2世女王陛下だったのですから、
君主が交代したという事実に慣れるには、しばらく時間がかかりそうです。
(女王陛下の訃報を受けて、バッキンガム宮殿前に市民が続々と集まっている様子が報じられました。
自発的に集まってくる人々を見ていて、現在安倍元首相の国葬決定に関して揺れている日本のことを思わずにはいられませんでした。)