先月29日(木曜日)。
ベルリンのトラック・テロ事件(前編/後編)最初の犠牲者となったポーランド人トラック運転手
ウーカシュ・ウルバン氏(Łukasz Urban)の葬儀が執り行われた。
ポーランド北西部、ドイツとの国境に近いバーニエ(?Banie)村。
教会に到着する棺。 カトリックの葬儀のしきたりはよくわからない。 棺はそれまで自宅に安置されていたのだろうか。
それとも葬儀屋の遺体安置所とか?
遺族にお悔やみを述べるポーランド大統領アンジェイ・ドゥダ。
ウルバン氏の奥さんと17歳だという息子さん(下左)、ウルバン氏のお母さん(下右)。
ベルリンから帰宅すれば仕事納めで、クリスマスの準備に入る予定だったというウルバン氏。
クリスマスも新年も迎えることなくこの世を去るなど、誰が想像できたろう。
母君も、まさか息子さんに先立たれるとは思いもしなかったに違いない。
その後の検死の結果、ウルバン氏はテロがあった日、現地時間で午後4時半から5時半の間に頭部を撃たれたと発表された。
よってテロが実行されたときには、「まだ絶命はしていなかった可能性はあるものの、意識はなかったはず」 とのこと。
つまりトラックが左に折れて停止したため犠牲者が増えずに済んだのは、
単純にテロリストの未熟な腕のおかげだったということになる。
それでもウルバン氏には、深い同情を禁じ得ない。 ケバブ屋の監視カメラ映像(下右)が、生前最後の姿の記録になるなんて。
そこを出て数時間後には刺され、撃たれていたなんて。
大型トラックでさえあれば、どの、誰のトラックでも良かった。 つまり無差別襲撃の対象になったわけだ。
そのうえ自分のトラックを無差別大量殺人の凶器として使われたのだから、彼の無念は測り知れない。
教会での葬儀を終え、墓地へと移動する棺。
弔意を表するため、棺につづいて歩く大勢の人々。
棺に花を供える奥さん。
ウルバン氏のご冥福をお祈りします。・・・・・
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葬儀のあとポーランドのトラック野郎たちは、夕暮れの高速道路を帰途についたそうだ。
コンボイを組んで、弔意を表しながら。
そして、当地イギリスはウエスト・ヨークシャー。
ウルバン氏の不運に深い同情をおぼえた同業者のデイヴィッド・ダンカンは、
ウルバン氏の遺族のための募金を立ち上げた。 総額はすでに目標額を達成し、20万ポンドに迫っている。
不幸な出来事、悲劇的な出来事からこのようなポジティブな行為が発生すると、
(人間もまだ捨てたもんじゃないな) と慰められます。
ダンカンさん、上出来!