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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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ユナイテッド航空乗客の強制排除

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まぁ~~~ビックリ。 知らなかったわぁ。

飛行機の指定された座席に座って離陸を待つ状態になってさえ、飛行機から降ろされることがあるなんて!

ニュース・キャスターが言っていました。 航空券を買うと、どこかに小さな文字で説明がついているそうです。

航空券の購入は座席の保証を意味するものではなく、出発空港と着陸空港間の輸送契約である。

従って輸送契約が遂行されなかった場合は、航空券購入者は代わりに補償を受ける。 みたいなことが。

連邦法でも、航空会社のスタッフにそうするよう求められた場合、乗客は 「航空機から降りる義務がある」 とのこと。

 

4月9日、シカゴ・オヘア国際空港ルイヴィル行きのユナイテッド航空3411便。

(正確にはユナイテッド・エクスプレス便だったらしいですが。)

ゲートで搭乗を待っていた乗客たちは、オーバーブッキングのため誰か一人が同便での飛行をあきらめるよう

依頼された。 一名がこれに応じ、残りの乗客は全員が機内へと進み、座席に落ち着いた。

ところが同航空のクルー4名がゲートにいたスタッフのところにやってきて 「明日のルイヴィル発のフライトで

就業するためこの便でルイヴィルに飛ぶ必要がある」。

3411便の乗客たちは 「オーバーブッキングのためさらに4人に飛行をあきらめてもらわねばならない」 と説明され、ボランティアで

飛行機を降りる乗客が募られた。 最初の補償は400ドル。 ボランティアなし。 次の補償は800ドル。 それでもボランティアなし。

そこでアトランダムに(最も安い運賃を払った乗客あるいは一番最後に搭乗した乗客から選ばれることが多いそう)

4人が選ばれた。 3人は飛行機を降りたが、4人目の男性乗客は 「私は医者で、明日患者を診るため今日中に

帰宅しなければならない」 と拒否。 (ニュース源のひとつによると、彼はボランティアで飛行機を降りることを申し出ていたが、

代理便は翌日の便になると聞いてボランティアを撤回したという。)

 

彼が断固として座席を動かなかったため航空警察が呼ばれ、警官3名で彼を窓際の座席から引き摺り出し、あとは

他の乗客が動画で撮影した通り。 他の乗客の 「何てこと!」 「まぁひどい!」 「彼に何をしたの!?」 「けしからん!」

などの声が、背景に入っている。

  機内の前方へと引き摺られていった男性は、その後機内に駆け戻って “I have to go home, I have to go home” と

繰り返しているところと仕切り壁にしがみついて “Just kill me, just kill me” と呟いているところが撮影されている。

顔は血で汚れ、表情は虚ろ。 (警官たちともみ合っていたときに 「鼻と歯が折れ、脳震盪も起こした」 可能性があるそうだ。)

  動画はコメントをつけられてSNSにUPされた。

“この動画をシェアして。 私たちはこのフライトに乗っていたの。 この男性は医者で、明日の朝は病院にいる必要があったので

飛行機を降りたくなかった。 私たちは皆(目撃したことに)おののき、胸を悪くしたわ”


    

鼻と歯を折り脳震盪を起こしたのはこの  とき?

     

    


その後すべての乗客が一度降機させられ、男性は医療チームによってストレッチャーで運び出され、乗客は

再度機内に乗り込み、同便は3時間遅れで離陸したそうである。

座席から引き摺り出された男性は、ベトナム生まれのデイヴィッド・ダオ(69歳)。 肺疾患を専門とする医師で、妻のテレサ(69歳)も

小児科医、5人の子供のうち4人も医者だそうだ。 (下の画像は、孫たちと。)

 

 

しかしながら彼は、2005年2月に医師免許を剥奪された。

ドラッグ関係の違法行為で有罪となったためだった。 20代の男性患者に性的関心を持ち、ホテルやモーテルでの

性行為と引き換えに法規制されている薬物を与えていたかどで、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

その後医療免許再獲得のため積極的に動き、2016年6月に条件つきで医療行為に戻ることを許可されていたという。

 

ダオ医師夫妻の自宅。 わぁ素敵

 

ここでひとつ、敢えて言ってしまいますが。 ダオ医師の反応は異常だったと私は思います。 まるで動物のようなあの悲鳴。

I want to go home とか Just kill me とかを繰り返し呟いたり。 ちょっと精神疾患患者さんぽく、私には見えました。

帰りたかったのはわかりますが、強制的に力づくで排除されるまで席を立たないというのも、ちょっと・・・

先に降機した3人の乗客のように自力で降機していたら、少なくとも怪我をすることはなかったはず。

 

でもだからといってあの暴挙が赦されるわけではないし、ダオ医師に犯罪歴があったからといって、あの暴挙が正当化されるものでも決してありません。

 

 ユナイテッド航空のツィートは、当初は次の通りだったそうです。

“Flight 3411 from Chicago to Louisville was overbooked.  After our team looked for volunteers,

one customer refused to leave the aircraft voluntarily and law enforcement was asked to

come to the gate.”

「シカゴ発ルイヴィル行きの3411便はオーバーブッキングされていました。スタッフがボランティアを探したところ、

乗客の一名が降機を拒否したため警官の出動が要請されました。」

 “We apologize for the overbook situation.”

 「オーバーブッキングに関しお詫び申し上げます。」

というのが、後で加えられた追記。

 

 ・・・って~! 問題はそこじゃないでしょっ!! オーバーブッキングはどこだって慣習的にやっていること。

その対処法が問題だったんでしょ!?

 

複数の動画がネット上でシェアされ世界中のニュースで取り上げられた結果、

One of three of the law enforcement officers involved has been placed on leave as he did not

follow protocol, according to the Chicago Department of Aviation.

「3名の警官のうち手順に従わなかった1名が自宅待機処分になりました」 と、シカゴ航空警察。

ユナイテッド航空もごうごうの非難を浴びてはじめて謝罪声明を出しました。

(今日の時点で警官は「3名とも自宅待機処分になった」というニュース源も。)

 

これはひどい。 乗客の排除の仕方がです。 あんな風に引き摺られたら、肩を脱臼する怖れもあったのでは。

高齢者用精神病院で働く私は年一回の身体抑制トレーニングの受講が義務づけられていますが、

身体抑制の原則は 「必要最小限」 に適用すること。 そして攻撃性のある患者さんを本人と周囲の人々の安全のため

移動させなければならないときは、その患者さんを怪我させることがないように、特別なテクニックでそうするよう習います。

動画で見る限り、あのやり方はまるでシロウト。 航空警察官だもの、私が受けるトレーニングなどよりずっと高度な

トレーニングを受けているはずなのに!

 

そもそも、乗客が機内の座席に落ち着いてから4名ものクルーが 「明日のフライトのため今日中にこの便でルイヴィルに

飛ばなければならない」 とゲートに登場するって、計画性なさすぎ。 そんなこと、かなり前からわかっていたことでは?

乗客がまだ搭乗ゲートで待っている間だったら、ボランティアを募ったとき応じた人がいたかもしれない。

でも機内に乗り込み、座席に落ち着いてしまってからではねぇ。

第一オーバーブッキングは、代金を支払って航空券を買ったにもかかわらずフライトを逃す乗客がいることを見越してされるもの。

つまり航空会社は、少数の同じ座席から運賃を二重に稼ぐためにそうするわけで。 その期待が裏切られた場合

航空会社には、ひたすら低姿勢で乗客にフライトをあきらめてくれるようお願いするしかない。

でも誰も応じてくれなかったら?

 

妙案を思いつきました! 『競り』 をするんです。 バナナの叩き売りみたいに。

でもバナナの叩き売りとは逆に、オファーする金額はどんどん高くします。

「800ドルではどうですか? まだだめ? 900ドル? えーい1000ドルだ、持ってけドロボー!」 てな具合に。

そうしてオファーを受け入れてくれる乗客が出るまで値段を吊り上げ続ける。 オーバーブッキングは航空会社が

リスクを承知のうえであえてすることなのだから、たまにあるかもしれないこういう出費は仕方ないですよ。

 

The airlines contract of carriage, an agreement that all customers assent to when booking,

does give United the freedom to deny ticketed passengers travel if a flight is overbooked.

By law, passengers are entitled to 400% of their ticket’s value (up to a cap of $1,350)

as minimum compensation along with a ticket for a future flight.

なるほど。 航空券を予約する際、すべての乗客は 「オーバーブッキングが起こった際、航空会社(この場合はユナイテッド)は

航空券を保持する乗客の飛行を拒む自由を有する」 という売買契約の一条項に同意したことになる。 法によって乗客は、

代わりの航空券に加えて最低補償額として航空券価格の400%(上限1350ドル)を受け取る権利がある。 のか。

でも上限の1350ドルでもボランティアがでない場合だってあるかもしれない。 だからやっぱり、

上限はなくして叩き売りしましょ! それだって、今回の事件がユナイテッドにもたらした商業的・経済的損失に

比べたら、安いものだもの ♪

 

ユナイテッド航空上層部は、誰が航空警察に介入を依頼したのかを、それが機長ではなかったこと以外は明らかにしていない し、

 United executives declined to say who asked the security officers to intervene, other than to say

it wasn’t the captain, who can order passengers off flights or cancel them altogether.

そもそも航空警察官に航空機内に乗り込む権限、ましてや乗客を身体抑制する権限があったかどうかも定かでないようです。

 

ユナイテッド航空、早速シェアががた落ちしたそうですね。 またユナイテッド航空は3411便の乗客全員に

運賃を弁償することを決定したとか。 見苦しいうえ心痛を引き起こすような事態を目撃させたことのお詫びかな?

 

私が尊敬してやまないサリー機長があの便の機長であの場にいたとしたら、直ちにやめさせたことでしょう。

サリー機長だったら、絶対に穏便に事態を処理してくれていたことでしょう。

ちなみにサリー機長はUSエアウェイズの元機長で、ユナイテッド航空ではなかったんですね。 ホッ。(←?)

 

これに懲りたら、運賃を払って座席に落ち着いたお客さんである乗客を、

今後はもっと敬意をもって扱ってくれたまへ。

 

 

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