私、知りませんでしたよっ!
現在97歳のエディンバラ公が、まさか今も自分で公道を運転されていたなんて~~~
英フィリップ殿下が運転中に横転事故、けがなし=王室
事故が起きたのは、1月17日(木)の午後半ば。
エディンバラ公が運転していたランドローバー・フリーランダー2は運転席側に横転。
幸いエディンバラ公に怪我はなく、奥様(72歳)を乗せて通りかかったロイ・ウォーン氏(75歳・法廷弁護士)によって、
サンルーフから助け出されました。
ウォーン氏: 「衝突はかなりの衝撃でした。KIAから煙が出ていたので、タンクが爆発するのではないかと気が気ではありませんでした。
KIAに乗っていた2人の女性は怪我をしたようだし、震えていました。
後部座席に赤ちゃんがいたので、通りかかったもう1人と一緒に赤ちゃんを助け出しました。
それから横転していた車へと急ぎました。高齢の男性が乗っていて、でも顔を見るまでエディンバラ公とは気づきませんでした。
脚がどこかに挟まって脱出を難しくしていましたが、痛みは感じていないようでした。
脚が自由になった男性の腕の下に私の両手を入れ、後ろ向きに脱出するのを助けました。
運転者の顔を見てエディンバラ公と気づいたのはそのときです。
彼は当然ながら、起きたことに非常にショックを受けていました。
彼は私の妻と話し、怪我人が出なかったか訊ね、誰も重傷を負っていないと聞いて安心したようでした。
彼は妻に、日光に目を眩まされたと言っていました。日はかなり傾いていて、ちょうど地平線のあたりで強く輝いていたのです。
私はサングラスをかけていましたが、彼がいた位置ではまともに太陽を見ていたことでしょう。
どうして事故が起きたのかわかります。
目撃した衝突のインパクトからして、死者も重傷者も出なかったのは本当に驚きです。」
エディンバラ公の車に衝突したKIAには45歳と28歳の女性、後部座席には生後9ヶ月の男児(28歳女性の子供)が乗っていて、
女性のうち1人は手首を骨折、もう1人は膝を怪我したそうです。幸い男児に怪我はありませんでした。
3人は近くの病院に救急搬送されて手当を受け、その後帰宅しました。
運転していた2人はその場で呼気をテストされましたが、酒気も薬物も検知されなかったそうです。
ウォーン氏によるとエディンバラ公は、救出中は「脚が、私の脚が・・・」とうめいていましたが、ひとたび助け出されると、
衝突相手の無事を懸念したそうです。エディンバラ公に怪我はなかったものの、やはりショックで震えていたとのこと。
サンドリンガム・ハウスに戻ったエディンバラ公はエリザベス女王を傍らに、医師団によって48時間経過観察されるそうです。
衝突事故の現場は、サンドリンガム・ハウス近くの公道。
エディンバラ公はエリザベス女王とともに、クリスマス以降サンドリンガム・ハウスに滞在されていたそうです。
(つい先月の、王室の伝統であるクリスマス・デーの礼拝にエディンバラ公は参加しなかったため、健康状態が懸念されていたんですが。まさか自ら車を運転していたとは。)
B1439道路を西進してきたエディンバラ公はT字路にさしかかり一時停止したものの、優先権のあったA149道路を南下してきたKIAに
気づかずA149道路(制限速度60マイル=96km)に進入してしまい、右側つまり運転席側に衝突されたようです。
エディンバラ公の車は3/4回転して運転席側を下に止まったわけですが、ハンドルを握っていた97歳が無傷だったとは。
さすがに装甲されている(armoured)だけのことはあります。
事故が起きたのは午後の半ばで、エディンバラ公は「日光に目を眩まされた」と説明しているそうです。
しかし、ですよ。
事故翌日の今日にはもう、エディンバラ公専用のナンバープレートをつけた同型車が、サンドリンガム・ハウスに届けられたそうですが・・・
ちょっと早すぎないかっ!?
この事故は、ふたつの問題点を明確にしました。
ひとつめは、「なぜエディンバラ公にはボディーガードがついていなかったのか?」です。
故ダイアナ妃の護衛を務めて二人の王子にも『ケンおじさん』と慕われていたというケン・ウォーフによると、
エディンバラ公は護衛の付き添いを好まないことで知られているそうです。「君たちは必要ないから、放っておいてくれ」と言って。
今回も、自らハンドルを握って外出したエディンバラ公を、護衛官たちは別の車で追跡していたのではないか?と彼は推測します。
(でも追跡していたのなら、なぜ通りがかりの人が助け出す前にエディンバラ公を助けられなかったんだろう?)
ふたつめの問題は、当然のことながら、「97歳は運転をあきらめるべきではないか?」です。
日本でもお馴染みの、高齢ドライバー問題ですね。
高齢になると必然的に起きてくる、視力の低下、反射能力の衰退、認知症など運転に障害を及ぼす精神状態。
(関連記事: クリスマス・イブの事故 試練の14時間)
でも今のところイギリスの道交法には、高齢者の運転適正を公的に審査するシステムはなくて。
70歳以上の高齢者は3年毎に、「自分は運転を続けられる健康状態にある」ことを自己申告するだけでいいのです。
用紙に記入するだけでよし。テストも医療関係者による検査もありません。
パーキンソン病やてんかんなど、運転に支障をきたす疾病にかかった場合は申告義務があるだけです。
・・・って!自己申告だけじゃ、自分を過大評価したり運転をやめたくなくてウソつく人もいたりするだろうから、意味ない~!!
2016年7月、3歳のポピー・アラベラ・クラークちゃんが73歳のジョン・プレイスの車に撥ねられて亡くなりました。
一緒に撥ねられたポピーちゃんの母親も、重傷を負いました。
プレイスは眼鏡をかけておらず、「赤信号に気づかなかった」といいます。
プレイスは医者に、視力が不十分だから運転をやめるよう言われていましたが、それを無視していて事故を起こしました。
4年の刑を宣告されたプレイスは、イギリスの刑期はその半分を意味するので、2年で出所できることになります。
事故後ポピーちゃんの遺族は、医療関係者に『運転を続けては危険な患者を報告する』ことを要求する法をつくることを求めています。
オバマ大統領夫妻が来英した2016年4月には、大統領夫妻と女王陛下を乗せてエディンバラ公が、サンドリンガムの敷地内を運転したそうです。
(オバマ元大統領、今頃「事故られなくてラッキーだった・・・」と胸を撫で下ろしているかも?)
老化は人それぞれですから、運転免許保持に年齢制限を設ける必要はないと思うんです。
でも視力・聴力や認知力テストは、絶対に必要です!!
ハンドルを握って公道に出たら、人は誰でも加害者になり得るのですから。
(92歳のオットー父も、まだ運転を続けているんだよなぁ・・・ )
公共交通機関が貧弱なこの国では、車の運転を続けることは高齢者が独立生活を維持するうえでとても重要です。
それでも、自分が高齢になった際には、
他人を傷つける前に運転をやめる勇気を持てますように。
そうそう、エディンバラ公に関しては、ぜひ公道での運転をやめていただきたいと思います。
今回の事故では相手は軽傷で済みましたが、次回はどうなるかわかりませんからね。
それに、そもそも資産の乏しい年金生活者じゃあるまいし、
24時間どこにでも連れて行ってくれるお抱え運転手がいるご身分なのだからぁ~!