夏らしい、最高気温20度台前半の日が続いています。
私は昨日1週間の住み込みを終えて帰宅しましたが、昨日の朝は、起きたら霧が出ていました。
相変わらず美しい男爵邸の前庭も、霧のため幻想的でした。空気もひんやりと爽やかで私好み。
霧が晴れたらまた好天気になりましたが。
昨日から、私と一週間交替で男爵邸で住み込みをする予定のエマが働き始めました。
エマは去年の12月までスターリング・ケアで訪問介護をしていましたが、転職し、派遣会社に登録して介護職を継続していました。
が、スターリング・ケアに懇願され、男爵邸での住み込みをやってみることにしたそうです。
派遣会社を通じて得た仕事も気に入っているので、住み込みがオフの週はそちらの仕事も続けるそうです。
エマはまだ若く独身ですが、初心者ではなく介護職経験者なので、私も安心です。
さて介護者を雇う場合、被介護者である顧客は、訪問介護にしろ住み込み介護にしろ、赤の他人を自宅に招き入れることになりますよね。
なので新しい介護者は、前もって顧客に挨拶に来るのがルールだと、私は思っていたんです。
住み込み介護者ならなおのこと。顧客の家で過ごす時間が限られている訪問介護者とは大きく異なり、
顧客は赤の他人である住み込み介護者を家に同居させることになるわけですから。
もちろん私も、住み込みを始める前に男爵邸を訪れて、男爵夫妻と顔合わせしました。
でもエマはそれはなく、昨日初めて男爵邸にやってきて、そのまま一週間の住み込みとなったのです。
先週私は、スターリング・ケアからの、いつエマが顔合わせに来るかの連絡を待っていました。
ケア・マネージャーのヴィッキーからメールが入ったのは、金曜日。
「エマには月曜日の午前9時半に男爵邸に入ってもらう予定だけれど、それでいいか男爵夫妻に確認を取ってくれる?」
(男爵邸に直接電話してきて自分で訊けばいいものを?) といぶかりつつも確認し、9時半でOKだとケア・マネージャーにメールで返事しました。
前もっての顔合わせがないらしいことに驚きつつ、(住み込みのスタートはふだんは正午ですが)エマは初めての訪問なので、
男爵夫妻との顔合わせや申し送りのため時間に余裕をもたせたものと解釈して。
そして昨日の朝。午前10時になってもエマは現れず、男爵夫妻がいぶかり出しました。
私も、3週間ぶっ続けで住み込む羽目になった記憶(参:男爵邸で続投決定!)が蘇り、次第に不安に。
何かエマから連絡が入っているかと思ってオフィスに電話してみたところ、
ちょうどオフィスに来ていたらしい重役(スターリング・ケア創設者の息子)がたまたま電話に出、
すぐエマの携帯に電話してみてくれたのですが、何とエマは、
「月曜日の11時に男爵邸に着くよう行って」
と、シフト・コーディネーターのヘイリーからテキストをもらっていたそうです。
ヴィッキーもヘイリーも、同じオフィスの、3mほどしか離れていない席で仕事しているんですよ!
なのにコミュニケーションのこの拙さ・・・(呆) なぜお互いと確認を取り合わない?
それに、9時半にしろ11時にしろ、なぜ一方にだけそう連絡して、もう一方にそれを通達しない?
ヴィッキーがエマに「9時半に行って」と連絡していれば、エマは(ヘイリーに言われたのは11時だけど?)と気づけたはず。
ヘイリーが私に「エマは11時に着くから」と連絡していれば、私が(ヴィッキーから聞いたのは9時半だけど?)と気づけたはず。
スターリング・ケアって、本当に本当に無能・・・ 正直、「バカですか?」と聞きたいわっ!
男爵夫妻と男爵邸が好きでなかったら、転職するところです。
* * *
ケア・マネージャーのヴィッキーが男爵夫妻とのコンタクトを避けるようになった理由、じつは私には思い当たることがありまして。
男爵邸で続投決定!に、こう書きました。
そして極めつけは、先週の金曜日。マーガレットから聞いた話です。
マーガレットはその週の月曜日に辞表を提出していました。すると驚いたマネージャーは何とかマーガレットを引き止めるべく、
住み込み中のマーガレットに「自分と話せるよう時間を作って欲しい」と再三言ってきました。でもマーガレットは気を変えるつもりはなかったし、
いろいろと忙しかったので「時間がない」と返事していました。すると業を煮やしたマネージャー、先週の金曜日の午後、
男爵邸の駐車場で休憩から戻ったマーガレットを待ち伏せていたそうです。でも奥方様は、アポなしの訪問者は大嫌い。
なのでマーガレット、男爵邸の前庭にマネージャーを招き入れ、男爵夫妻にはマネージャーがアポなしで突然来たことを説明し、
短時間だけマネージャーと話しました。でも奥方様は(マーガレットがマネージャーを呼んだに違いない)と思い込み、
その後マーガレットのことは無視するか冷たく接するかのみ。
上の引用部分を書いたときは、ヴィッキーの名誉のため省いていたことがありますが、もう名誉を守る気はなくなったので暴露しますと。
マネージャーがアポなしで現れたことに立腹された奥方様は、男爵殿にそのことを愚痴ったらしいのです。
すると、何があろうと常に奥方様の味方である男爵殿は、前庭で話していたヴィッキーとマーガレットのところにやってきて、
ヴィッキーの顔にまっすぐ人差し指を突きつけ、3語だけ発したそうです。
“You, Get out!”
男爵殿の逆鱗に触れたヴィッキーは、そそくさと退散。
この件で、男爵夫妻のことが徹底的に苦手になってしまったんでしょうね。
それ以来、男爵夫妻のお子さん達とは連絡を取るものの、男爵夫妻とは電話でもメールでもコンタクトを取っていないようなのです。
認知症の疑いが濃厚の男爵殿。
いくら奥方様に愚痴られたとはいえ、認知症を発症していなかったら、このようなオーバーリアクションはなかったと思います。
できるだけ穏やかに、「アポなしの訪問はお控えいただくようお願いしたはずですが?」みたいにアプローチして。
その一方で、ヴィッキーもヴィッキーです。
ケア・マネージャーとして、今後も付き合いが続くわけですからね。
ほとぼりが冷めたらすぐに電話かメールで男爵夫妻に謝罪をし、関係修復を図ればよかったものを。
時間が経てば経つほど、謝りにくくなると私は思うんですが。
* * *
オフィスに電話して「エマが来るのは11時」とわかった私は、男爵夫妻に正直に、連絡の不手際を説明しました。
当然のことながら、お二人は驚き呆れられ、奥方様はオフィスに苦情の電話を入れました。
私が電話したときと同様、電話に出たのは男性重役。奥方様に苦言を呈されたけれど、自業自得です。
この男性重役は40歳くらいなんですが、以前一度だけオフィスで見かけたときは、個室でギター弾いてましたからね。
そして私が電話したときわかったのですが、この人、顧客のことは一切何も知らず、ちんぷんかんぷんでした。
そりゃ重役なら、直接介護に携わるわけではないでしょうけど、顧客の名と簡単な人となりくらい、ギター弾く暇があったら
目を通しておけっての! 役立たずの役職者の典型だわ。
エマ本人は、若くて独身で実家住まいの元気な女の子。
年配で既婚で根暗で無口な私とは対照的なので、ちょうどいいメリハリになるんじゃないかと思います。
男爵夫妻がエマの仕事ぶりを、エマが男爵夫妻との仕事を気に入って、
エマが今後、男爵邸に落ち着いてくれますように。