前回の記事にちらっと書いたように、先月末にロンドンに戻ったムスメは、3週間ほどしてまた我家に戻ってきました
理由は、歯科診療所に行くためです。
オットーによると、オットーが子供の頃(=半世紀前)はNHS傘下の歯科治療は、すべて無料でした。
ところがかなり前から有料化され、料金はじわじわと値上がりを続け、現在の料金は以下の通りです。
(ただし低所得あるいは無所得のため社会福祉手当を受給している人は、すべて無料。)
日本円への換算は、今日のレート1ポンド=140円でしています。
しかも歯科診療所はNHSを離れて私営することがけっこう前から認められたため、現在ではNHSの歯科診療所はかなり乏しくなっています。
私たちの場合はラッキーで、ダーズリーにはNHSのと私営の歯科診療所があったので、もちろんNHSのに登録しました。
イギリスに来て驚いたんですが、皆さん真面目に半年ごとに、歯の定期検診に行くんですよね。
これは、かかりつけの歯科診療所をつくっておかないと、非常時に簡単に診てもらえないからかも。
非常事態で歯が痛くなり困っても、かかりつけの歯科診療所がないと、離れた町の歯科診療所に行かされることになるようです。
(あ、でもそれはNHSの場合のみで、高料金を覚悟で私営の歯科診療所に飛び込みでかかる場合は別かもしれません。)
そして定期検診に真面目に通わないと、登録から外されます。
ムスメは大学に通うため6年前に我家を離れましたが、帰郷の際に定期検診に行くようにして、歯科診療所は変えずにしのいできました。
ところがロックダウンにより歯科診療所は閉鎖され、非常事態の患者さんしか診てもらえなくなりました。
定期検診のアポも、6月だった私のも今月だったオットーのも、診療所の方からキャンセルされました。
そんな中ムスメは奥歯が黒ずんでいるのに気がついたので、先月末にロンドンに戻る前に診療所に電話して相談したところ、
「来月に入ったら衛生士の予約が入れられるかもしれないからまた電話して」とのこと。
今月に入って電話したら月末の予約が取れたため、また帰郷してきたわけです。歯科診療所に行くために!
ロンドンでかかりつけの歯科診療所をつくれればいいんですが、でもおそらくロンドンにはもう、NHSの歯科診療所は残ってないんじゃないかと。
私たちの歯科診療所も、この春『BUPAの傘下に入ったけれど、何も変わらないから心配しないでね~』と通知してきました。
でも何も変わらないのは当座のことで、そのうち料金は私営っぽくうなぎのぼりになるんだろう・・・と私たちは疑っています。
同じ治療をして高料金をチャージできるなら、誰だってそうするでしょうから。私営になりたがるのも無理はありません。
グロスターにもチェルトナムにもNHSの歯科診療所はまずもう残っていないようですから、そしてもし残っていても、
「患者が一杯で新しい患者は受け入れられません」と断られますから、これまでNHSのにかかってこられた私たちの方こそが、
珍しくラッキーだったのかも。
下が、ネットで見つけたNHSとプライベートの歯科治療の料金比較表です。
ケンブリッジに住む義弟②は(NHSのがないので)私営の歯科診療所にかかっていますが、
10分もかからない定期検診に、60ポンド(8400円)払うそうです。
(アマルガムってよくわからなかったので調べてみました。コチラです。)
根管治療、歯冠、義歯などには、ン10万円かかるのを覚悟しなきゃならないなんて・・・
歯の治療は贅沢行為って気がしてきました。
(そして私の歯は、かな~りガタガタです・・・ )
幸いムスメの歯の黒ずみは大したことなく、「歯が自力で(?)回復しようとしているから大丈夫」とのことでした。
ただコロナ感染予防のため器械類が使えなかったので、請求は45ポンド(6300円)だったそうです。
おのれ、コロナめぇ~!