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Channel: ハナママゴンの雑記帳
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頑張れ、ジョンソン首相!

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「高齢者の横断に注意」の道路標識。

 

この標識に感謝するべき年齢に、着々と近づいている私・・・

 

*       *       *

 

英国では新型コロナウィルスのワクチン接種が、前代未聞のスピードで進んでいます。

高齢であればあるほど接種が優先されてきて、先週からは65歳以上が、接種を受けられることになりました。

オットーは現在62歳ですが、月曜日に診療所から電話をもらい、水曜日に無事接種を受けました。

接種時は痛みはまったくなかったそうです。

その日の夜から接種された左腕に筋肉痛のような痛みが始まり、その晩は左側を下にしては眠れませんでした。

でもこれは、インフルエンザなど他の予防注射でも珍しくはないことですから。

オットーの左腕の痛みは、幸い30時間以内にはすっかり治まりました。

オットーが早めにワクチン接種に呼ばれたのは、93歳の母親をサポートしていることを

診療所に報告してあったからかな、と思います。

あとオットーは、10年以上前に肺炎で数日間入院したこともあったので、それも記録に残っているはず。

ワクチンを少しばかり優先されたのは、その病歴も理由のひとつかもですね。

私も義母の買物をしてはいますが、現在仕事はしていないし健康上の問題もまったくないので、

ワクチン接種に呼ばれるまではおとなしく待つつもりです。

昨日のニュースで『7月末までに全成人のワクチン接種を完了させたい』との政府目標が発表されましたが、

全成人ということは、18歳以上の英国居住者全員・・・

実現すれば大したものですが、ワクチンは一人につき2回打たなければならないのだし、本当に可能なのかな?

それともこの目標は、全員に最初のワクチン接種を完了させるということでしょうか?

ちなみに93歳の義母は、クリスマス前に最初のワクチンを受けました。

2回目は12週間後のはずだから、まだ呼ばれていないけど、来月には受けられるはずです。

 

今朝 YouTube で日本のニュースを見ていたら、興味深いニュースがありました。

日本人はネアンデルタール人に由来するDNAによってコロナが重症化することから予防されているのでは?

というものです。

ネアンデルタール人由来 遺伝子が“重症化予防” (テレ朝ニュース)

同じ島国でありながら、どぉぅ~して英国が新型コロナにここまでひどくやられているのか不思議でしたが、

DNAが関係しているというなら、少しは納得できる気も。

英国は多人種国家で、とくにロンドンをはじめとする大都市には、アングロ・サクソン人よりも

移民の方が多いんじゃないかと思うくらい。

“重症化”遺伝子が多く受け継がれているというインドやバングラデシュの移民も多く移住してきてコミュニティを作っていますから、

そのため英国の感染率も死亡率も上昇してしまったのかな?・・・と、科学にとんと弱い私は、無い知恵絞って思うわけです。

そういえば初期の頃から、有色人の方が重症化率も死亡率も高いようだと言われていましたね。

 

 

英国の死者数が10万人を突破したのは、1月26日のことでした。

政府は毎日午後5時から『新型コロナのアップデート会見』を行っていますが、当日のボリス・ジョンソン首相の

表情は沈痛そのものでした。

 

Covid deaths: 'Hard to compute sorrow' of 100,000 milestone - PM (BBC News)

イギリスの死者10万人を超す、欧州で初 新型コロナウィルス (BBCニュース)

 

「なぜこんなことになってしまったのか」という記者の質問に対するジョンソン首相の回答です。

“I think on this day I should just really repeat that I am deeply sorry for every life that has been lost, and

of course as I was prime minister I take full responsibility for everything that the government has done,”

「政府がとってきた新型コロナ対策に関する全責任は自分にあります」というジョンソン首相のこの回答を聞いたとき、

その潔さに私は内心で拍手を送りました。

日本を出て今月で満29年に達した私ですが、記憶にある日本の政治家といえば、のらりくらりと

「前向きに検討いたします」だの「記憶にございません」だのという、

国民を煙に巻くためのその場しのぎの発言だけして会見を終えてさっさと立ち去ってしまう印象でした。

だからなおさら、ジョンソン首相の発言に感動したのかもしれません。

 

英語に soft spot という表現があります。感傷的弱点という意味でよく使われ、

I have a soft spot for puppies. と言えば、「私は仔犬が大好きです」になります。

もちろん人に関しても、 I have a soft spot for my niece.  のように使えます。

ジョンソン首相はともすれば『道化』と見下されがちですが、国民の間では非常に人気があります。

そういう私もどうも、ジョンソン首相に soft spot があるみたい。

ジョンソン首相がロンドン市長だった2012年には、こんな記事を書いていました。

トランプ元大統領とジョンソン首相を並べて小馬鹿にする向きもあったけれど、私はジョンソン首相は、

トランプ氏に比べたら100万倍人間としての格が上だと思います。

トランプ氏が『死者10万人越え』を聞いてジョンソン首相のような悲痛な表情を浮かべるところなど、想像できますか?

彼だったらせいぜい「ワシのせいじゃないぞ!」と顎をしゃくり上げてうそぶくのが関の山でしょう。

ジョンソン首相は、不可能に思えたEU離脱交渉の合意にだって、土壇場で漕ぎ着けましたしね。

 

新型コロナ対策ではたしかに初動が遅れたし失策もたびたびあったけれど、

ワクチン接種に関しては、目覚ましい速度で事業を進めていて。

ロックダウンの効果も見え始め、ここにきて少しずつ感染者数・重傷者数・死亡者数ともに減少が続いています。

政府は明日22日、今後のコロナ対策規制緩和に向けての段階別計画を発表する予定ですが、ここが正念場。

ビジネスや経済を救うことも大事ですが、それはまず、国民の命あってこそのものですから。

緩和を急ぎすぎたため状況がUターンし急激に悪化した過去をふまえて、

与党内からも上がるロックダウン早期解除の要求に屈することなく、

何としても踏ん張ってもらいたいものです。

頑張れ、首相!

 


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