《 前編からのつづき 》
女王陛下と女官が乗るベントレーは、やがて葬列から離れ、聖ジョージ礼拝堂の側面に横付けされました。
ウィンザー司祭に案内され、堂内へと入られる女王陛下。新型コロナのためお姿を拝見するのは久しぶりでした。
そりゃご高齢ではあられます(まもなく95歳)が、覚えていたよりずっと小さくはかなげに見え、何だか切なくなりました・・・。
葬列は、黙祷のあと堂内へと進みます。入口でマスクを着用して。ここからハリー王子はウィリアム王子のうしろを歩きます。
感染対策のため、参列者は世帯ごとに距離を取っての近親30名のみ。
フィリップ殿下の棺が安置されます。
女王陛下の並びには、2席おいて次男のアンドリュー王子が着席しました。
席順です。故人と関係が近い人ほど棺の近くに座るんですね、当然ながら。
24から26の参列者は、フィリップ殿下のドイツの遠縁のようです。
ウィリアム王子夫妻はハリー王子とは真向かいの席でした。
葬儀のダイジェスト版の動画のリンクを貼っておきます。
故フィリップ殿下の葬儀、奉仕と忠誠をたたえ 英王室 (BBCニュース、3分13秒)
1分と10秒長い英国版はこちら。(もし日本で視聴できなかったらすみません。)
Prince Philip: Royal Family honours duke's 'humour and humanity' (BBC News,4分23秒)
式次第も聖歌の選択も、フィリップ殿下が自らされたそうです。シンプルな、でも心に残る素晴らしい葬儀でした。
快晴の青空の下、整列した兵士たち、一糸乱れぬ行進・・・英国の底力を見た!という気がします。
葬儀のあと、女王陛下はまたベントレーで、城内の住居館へと戻られました。
下の写真は、エリザベス女王とフィリップ殿下が初めて出会った日に撮影されたものと信じられているそうです。
ティーンだった、当時のお二人。エリザベス王女など、まだほんの少女!13歳の乙女!
凛々しい制服姿のフィリップ殿下は、エリザベス王女の心に強いインパクトを残したようです。
王室の伝記作家によると、のちに女王陛下は『フィリップ殿下に一目惚れした』ことを公認されたそうです。
この後まもなく第二次世界大戦が勃発しましたが、二人は文通を続け、1947年7月に婚約、11月にご成婚。
フィリップ殿下は海軍に在籍していたため、新婚のお二人は数ヶ月を派遣先のマルタで過ごされました。
下左画像は当時マルタで撮影されたもので、お二人にとっては「普通の夫婦として暮らせた大切な一時期の思い出」だそうです。
海軍でのキャリアを順調に伸ばし将来を期待されていたフィリップ殿下でしたが、結婚の4年後に義父であるジョージ6世が急逝。
妻であるエリザベス王女が女王に即位したため、王配となられたフィリップ殿下の海軍のキャリアには終止符が打たれました。
(参: Accession Day (即位の日) / ブルー・サファイア婚式)
その後の70年(!)近くを、王配として、夫として、父親として、女王陛下を支え続けたフィリップ殿下。
アンドリュー王子は「英国は祖父を亡くした」と表現しましたが、まさにその通りです。
アラカンの私がものごころついた頃にはすでに、女王陛下に付き添われているのが当たり前だったフィリップ殿下。
本当に、亡くなられてしまったなんて、・・・まだ信じられません。
長いこと、お疲れさまでした。どうぞ安らかにお眠りください。・・・
《 オマケ 》
これ、フィリップ殿下だって、信じられます!?
一時口髭と顎髭を伸ばしていたことがあったそうですが、ない方が絶対いいと思う!(個人の好みです)
(初めて会ったときに口髭と顎髭姿だったら、エリザベス王女に一目惚れされることはなかったかも!? )