《 ③ からのつづき 》
事件の詳細に入る前に(って、こればっか? )、ラムジー邸の内部を階ごとに見ていきたいと思います。
まずは最上階の 3階 ですが、ここは両親のスイート・ルームだったんですね。
いくつか間取り図が出てきましたが大体似たような感じで、階下(2階)へと下りる階段はふたつあったようです。
パッツィーのクローゼットの大きさが多少異なりますが、事件とは関係なさそうなので見逃してあげます。
(贅沢なことにジョンもパッツィーも、それぞれ独立したバスルームを持っていたんですねぇ。 ・・・って、お金持ちなら当たり前か。 )
こんな間取り になっていたようです。 上が北で。
下の画像の階段と暖炉の位置と天井の形状からして、ベッドは頭部を東側の壁の方に向けて設置されていたものと思われます。
その後 “元ラムジー邸” が何度か売りに出されたときの3階の画像も、参考までに貼っておきます。
「子供を殺害され得る状態に放置したことは虐待にあたるので、ラムジー夫妻を起訴すべき」
との結論を大陪審が出していたと知ったとき、
(我が子を殺してくれって頼んだわけじゃないんだから、それはちょっと厳し過ぎるのでは・・・?) と思いました。
でもその後、考えを変えました。
だって、この部屋割りなんだもの。 ありえない~!!
悪人て、大抵の場合はヘリコプターから宙吊りになって屋根から侵入してくるんじゃないから。
重力の関係で、地表をやってきて侵入できそうな場所を探すわけだから。
地表に近い階ほど、危険度が高いことになります。
なのに子供が2階に眠って、両親はペントハウスを気取ったのか知らないけど、最上階の3階って!
ありえない~!!
これじゃあ悪者が1階・2階もしくは地階から侵入した場合、無防備な子供に先に到達されてしまうではないの。
何も気づかないまま親が3階で眠りこけてる間に子供を人質にとられるかもしれない。 誘拐されるかもしれない。
だいいち子供がティーンになっていたならともかく、まだ9歳と6歳だったんですよ。
怖い夢を見てうなされて 「ママ~」 と泣き出すかもしれない。 ベッドから落ちてパニックするかもしれない。
私だったら絶対、下の子がせめて12歳くらいになるまでは、子供と同じ階に眠りますけどね?
何かあったときすぐに駆けつけられるように。
しかもここは、地元の名士で富裕なことで有名なラムジー家。 強盗や誘拐の標的にされる可能性は、
一般庶民の家庭よりずっと高い。 なのにこの部屋割り・・・
邸宅が頑丈な門つきの高い塀に囲まれていて、夜間はよく訓練されたドーベルマンが庭に放たれていたのならともかくですが、
実際にはそうじゃなかったのだから。
しかも悪人が三面鏡の裏側みたいに出っ張った部分の2階にあるバルコニーに何とかして上ってしまえば、
窓ガラスの向こうはジョンベネちゃんの部屋だなんて。
ラムジー夫妻って、それなりに頭のいい二人だったろうに、この部屋割りはアタマ悪すぎ!
まぁ3階の大きな窓には手すりもついていなかったようだから、子供には不向きだったかもしれません。
でももちろん手すりをつけることくらい、ラムジー家の財力があれば何でもなかったでしょう?
否、ラムジー家の財力なら、24時間常駐の警備員を雇うことだってできたし、当時の最先端を行く
警報システムだって導入できただろうに。
なぜにそうしなかったんだろう?
そうしてくれていれば、ジョンベネちゃん殺害事件の展開は、かなり違ったものになっていたことでしょう。
残念です。
* * * * * * * * * *
続けて 2階 です。 少しずつ事件の舞台に近づいていきます。
2階には子供たちの2寝室、遊び部屋と客用の寝室がふたつあったようです。 客用寝室は2つとも、ジョン・ラムジー氏の
最初の妻との間の成人した子供たち――メリンダとジョン・アンドリュー――に定期的に使われていたようで、
間取り図にも彼らの部屋との説明が入っています。
下右の間取り図ではメリンダとジョン・アンドリューの部屋が逆になっていますが、多数決で他の間取り図の方を信じることにします。
2階の間取り図。 (私が入れた日本語部分が読みにくくてすみません。)
3階と1階に挟まれたバルコニーの奥に、ジョンベネちゃんの部屋があったことになります。
= ジョンベネちゃんの部屋 =
ジョンベネちゃんの部屋はツインになっていて、ベッドのひとつにジョンベネちゃんが眠り、もうひとつはおそらく友達が泊まりに
来た時用の予備ではないかと。 普段はこうしてお人形さんを飾っておいて。 下右は明らかに、事件後の検証が済み
片づけられたあとの画像。
ジョンベネちゃんはこのベッドから、誰かに無理矢理連れ出されたのか。 それともこのベッドを、自分の意志で出たのか。
あぁ~壁が、ベッドが、家具が、部屋が、喋ることができたら・・・!
事件を検証するドキュメンタリー番組で再訪された元ラムジー邸。 すっかりシンプルになった元ジョンベネちゃんの部屋には当時
「法学生が住んでいる」 とのことでした。 下左画像、元ジョンベネちゃんの部屋の外の奥に、シンク・エリアが見えます。
廊下から見たジョンベネちゃんの部屋。 バルコニーへと通じるドアが見えます。
ジョンベネちゃんの部屋の外のバルコニーからの眺めと、もうひとつのバルコニーの画像。
ジョンベネちゃんも同じ風景を目にしたことでしょう。
ジョンベネちゃんの部屋と隣接する、異母兄ジョン・アンドリューの部屋。 クリスマス直前にアトランタに戻ったはずですが、
ベッドの上にまだいろいろ載っていてスーツケースみたいなものまで見えるし、まるでまだ滞在していたかのよう。
(もう20歳になっていたんだから、出立する前にちゃんと片付けんかいっ! )
上左画像のベッドシーツのプリーツが一部ふくらんでいるため、「家族がホワイト家のクリスマス・パーティーに出掛けている間に
何者かが忍び込み、ここに隠れていたのでは?」 と疑う人もいるようです。
上記と同じドキュメンタリー番組での、廊下から見た元ジョン・アンドリューの部屋。 窓は西向きで部屋の下はガレージ
だったことになります。 画像左手に元ジョンベネちゃんの部屋の入口、右手にシンク・エリアが見えます。
ジョンベネちゃんの兄バークの部屋は、家の東側。 「ベッドがきちんと作られているのが怪しい」 という人もいるようですが、
ベッドを整えたのはラムジー夫妻の友人のフリート・ホワイトだったそうです。 事件でごった返すラムジー邸からバークを
一時預かることになり、仕度を手伝うときにベッドを作ったようです。
下は元ラムジー邸が売りに出されたときの画像ですが、3つ並んだ小さな窓があるから、この部屋は元バークの部屋かな?
下左は外にバルコニーが見えることから、子供のプレイ・エリアの南部分かと。 下右は北を向いて眺めたプレイ・エリアで、
右端に見えるバスルームはメリンダの部屋のはす向かいにあるものではないかと。 (下の2画像も、元ラムジー邸が
売りに出されたときの画像です。)
下左は、ふたつある階段のうち西側にある方を、3階から2階に下りてきたところ。 奥に見える窓は南向き。
下右は、1階へと下りる螺旋階段の始まりです。
下はメリンダの部屋の向かいにある、もうひとつの階段。 左のドアがメリンダの部屋の入口、右のドアがバスルームの入口。
奥のカーペット敷きの部分が子供のプレイ・エリア、一番奥の壁の向こう側がジョンベネちゃんの部屋だったことになります。
(・・・なんて広い家なんだ。ぜいぜい。)
《 ⑤ につづく 》