Quantcast
Channel: ハナママゴンの雑記帳
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1530

義父が逝くまで ③

$
0
0

義父亡きあとの新年が爽やかに明けましたが、私の故人への鞭打ちは続きます。

しつこくてスミマセン。

 

《 おことわり 》

① クソ野郎の義父が昨年12月5日に昇天しましたが、私は義父が故人になったからといって、語調を変えるつもりはありません。

その点を不快に感じられそうな方は、不快に感じ始めた時点で当ブログを閉じてくださいますようお願い申し上げます。

② 義父が逝くまでの経過をさくっとまとめるつもりでしたが、将来自分が読み返すときのために詳しい記録を残しておきたいので、

長ったらしい記事になりそうです。御用とお急ぎでない方のみ、お読みくださいませ。

 

《 からのつづき 》

 

10月20日(日)は、ドイツのアグネスのところに遊びに行っていた私の帰国日で、オットー、お昼過ぎに私をバーミンガム空港まで迎えにきて

くれました。夜、義母がオットーに、私たちが無事帰宅したことを確認するため電話してきました。電話を切ると、すぐまた義母から電話が。

義母がオットーと電話で話すのを聞きつけた義父、義母に、オットーに電話をかけ直してこう言うよう命じたそうです:

「金曜日にお前が壊したワシのコンピューター(ラップトップ)を直しに来い。」

オットーは義母に、「壊した覚えはないが、明日行ったときに見てみるよ」と約束して電話を切りました。

 

2日前の18日(金)、オットーは両親宅を慌しく辞去するようでした。サンライズ・ケアからケア費用の通知が届きましたが、『インボイスと書いてあるから

すぐに支払いをしなければならない』との考えに取りつかれた義父が高圧的な態度で怒鳴り散らし、その場にいることさえ苦痛だったからです。

そのときオットーは、義父のラップトップを使っていました。義父の要求で、ケア費用の自動振込みをオンラインでセットアップできるか調べて

いたからです。銀行に問い合わせるための電話番号があるかを見てみるため、週2回の買物用にと義父から預かっていたキャッシュカードも、

テーブルの上、ラップトップの脇に出していました。(義父母は自分たちだけでは外出できなくなっていたし、義父は義母名義のキャッシュカードも

自分で握っていたので、オットーにキャッシュカードを預たままにしていても、不都合はなかったのです。)

オットーは義父の怒声に耐え切れなくなったので辞去することにし、急いでラップトップを閉じましたが、「壊れるような乱暴な扱いはしなかったはず」。

ただ義父のキャッシュカードは、書類の下になっていたので置き忘れてきていました。じつは両親宅を辞去し車で走り出してすぐに、キャッシュカードを

置いてきてしまったことに気づいたそうです。でも本当に頭にきていたし、キャッシュカードはテーブルの上、ラップトップのすぐ脇にあって紛失しようもなく

安全だから、戻らないことに決めました。そのことでオットーは、義父が自分を責め立てるだろうと私に予言。義父から預けられたキャッシュカードを、

責任をもって保管しなかったことになるからです。

 

空港まで私を迎えにきてくれたオットーは、同じ20日(日)の夜にも、有休が余っていたため一週間ほど帰省してきたムスメを、ストラウド駅に

迎えに行きました。その晩、義妹のジェインからオットーにメール。義母と電話で話した義妹によると、義母は、原因は覚えていないけれども義父と

口論したそうで、落ち込んでいたとのこと。その晩アグネスから義父に電話があったのに、義父はアグネスとすら話そうとしなかったそうです。

一人娘で母親とずっと近かった義妹は、母親の毎日を少しでも耐え易いものにしてやりたいと、やきもきしている様子。医師である夫の

イヴァンから義父に、義父と似たような状態だった高齢患者に効果のあった鎮静剤の服用を勧めてもらうことにした、とのことでした。

もちろんオットーに異存はありませんでした。

 

10月21日(月)。オットー、朝一番でサンライズ・ケアに電話。インボイスについて訊くと、「インボイスは隔週発送され、支払いは顧客の口座からの

自動引き落としで処理される」とのこと。サンライズ・ケアはただ単に、前週届いたインボイスに、顧客に記入のうえ返送してもらわなければならない

『自動引き落とし申込書』を同封し忘れていたのでした。 (← イギリスのあるある!

サンライズ・ケアは申込書を、今日中にオットー宛にメールするとのことでした。そしてオットー、両親宅へ。

オットーが到着すると、居間には当惑した表情を浮かべた義母しかいませんでした。

「お父さんたら、あなたが来たとわかった途端、慌てて立ち上がって寝室に行っちゃったのよ?」

「オーケー。」

オットー、義母に、私が持ち帰ったアグネスから義父母へのお土産のライ麦パンを渡し、義父のラップトップのスイッチを入れました。

義父から教えられていたパスワードを入れると、ラップトップは難なく正常に起動。

「よし・・・母さん、父さんが部屋から出てきたら、ラップトップにはどこも異常ないと言っていいよ。いつも通りに立ち上がったから。」

「お父さんたら、なぜそれが壊れているなんて思ったのかしらねぇ?」

すぐに義父に報告に行こうとする義母を、オットーは止めました。義父が義母に怒鳴るだけであろうことを知っていたからです。

(案の定、あとになって義母が義父に伝えると、義父は大声で、自分もログインしようとしたが、

「パスワードが間違っていると表示されるだけだった!」

単にパスワードを誤って入力していただけのようでした。)

 

続けてオットーは、義母と、(火曜日と木曜日が義父が主張する買物デーなので)翌日の買物リストを作成。

そのとき義母は、その朝、新しい介護ヘルパーが来たとオットーに報告しました。続けてオットー、義母の常用薬をチェック。

念のため、義父の薬の残量もチェックしました。この時点で義母はふたたび、義父にラップトップに異常がないことを報告に行きたがりましたが、

オットーがストップをかけました。

「いや、放っといて・・・行かない方がいい。機嫌を損ねるだけだから。父さんがドアを閉じて寝室にこもっているときは、

行っちゃだめだ。父さんにも、母さんに対して同様にするよう言う必要があるけどね。」

「・・・お父さん、居間のここに座っていたのよ。あなたが来るのが見えたから、私、言ったの、『あぁ、オットーが来たわ』って。

そうしたらお父さん、飛び上がって寝室にこもっちゃったのよ?」

(オットー、肩をすくめて) 「いいよ、その方がスムーズに事が運ぶし。」

 

冷凍食を配達する会社から電話があったので、義母は今週オーダーする必要があるか義父に訊きにいきました。

義父が何でも自分一人で決めるため、義母には何の決定権もなく、何でも義父に訊くことが習慣になっているからです。

でも機嫌が悪かった義父は、「来週まで要らん。」

テーブルの上に冷凍食のリストがあったので、オットーが義母にそれを見せると、義母はそれを持ってまた義父の所に行きました。

「このリストは今週用じゃないの?このリストにあるものを注文しましょうか?」

(義父、不機嫌そうに) 「お前次第だ。」

 

 義母の薬が1種類、義父の薬は2種類、残量が少なく注文が必要だったので、オットー、常用薬注文ラインに電話。

混雑しているため音楽を聴いて待たされている間に、義母は義父に、オットーが2人の薬を注文するところだと報告に行きました。

すると義父、大声で、「ワシは自分の薬くらい自分で注文できるさ、何の問題もない!」

そこでオットー、寝室の戸口まで行き、義父に

「自分の薬は自分で注文したいんだね?」 と確認。

「そうだ、ワシはそれは・・・自分の薬は・・・自分で、今日、注文できる。」

「オーケー、じゃあ母さんのだけ注文するから。」

(オットーが居間に戻ると、義母) 「お父さんは間違ったのを注文しちゃうかもしれないわ。」

(オットー、頷いて) 「そうだね。」

「あなたがお父さんの薬も注文してくれた方がいいんだけど。」

「それはできればしたくなかったから、しなくていいのは自分には好都合なんだ。

だって父さんは、俺が薬を変えたと責めて、介護ヘルパーにもそう宣言したからね。」

「まさかお父さん、そんなことを!?」

「ラップトップの件だって、父さんは間違ったパスワードを入力したんだ。でも父さんはそれを受け入れない。

そんなこと、意味をなさないからね。完璧な父さんが間違えるなんて、有り得ないことだから。」

 

オットー、義父の電動シェーバーの刃を交換し、ちゃんと動くことをチェック。それから義母に、金曜日に義父のキャッシュカードをテーブルの上に

置きっ放しにしたことを話しました。その時にはもうカードは見当たらず、さらには過去数ヶ月間テーブルの上に置かれたままに

なっていた義父の財布も見当たりませんでした。そこでオットーは義母に、翌日義両親のための買物に行く際、

「父さんは俺に、キャッシュカードを渡してくれるよう懇願させるつもりだろうな。

預けられたキャッシュカードを放置したことでも、叱りつけるだろう。」

「妙だわ・・・あなたがそんなこと言うなんて、だってお父さん、昨夜寝床に行って・・・私も退屈していたから、

8時過ぎには床に入ったの。でもしばらくしたら、お父さんが寝室から出てきたのが聞こえてね。

ここ(居間)に入ってきて、しばらく何かしていたのよ。そんなこと、かつてしたことなかったのに。

夕食をあまり食べなかったから、何か食べているのかと思ったわ。

そして今朝起きてきて、私いちばんに気がついたの、お父さんのお財布が消えていることに。それでお父さん、

私がお父さんの財布をいじるとでも思ったのかと・・・」

「うーん、今日ははじめての介護ヘルパーが来ることになっていたから、そのせいかな?いずれにしろ、財布を目につきにくい、

引き出しの中とかにしまっておくのはいいことだよ。とりあえず今は心配しないで。キャッシュカードは明日までは要らないから。」

 「お父さんが使うつもりのない(歩行補助用)トロリーは11時から6時の間に回収に来るって行ったわよね?

時間はメモしたんだけど、それっていつのことだったかしら?」

「明日の火曜日だよ。」

「曜日を書くのを忘れたわ・・・私の記憶はどんどん悪くなってる。お父さんにそう言われると、ますます悪くなるみたい・・・。」

「そうだね、プレッシャーやストレスで悪化するというのは間違いないと思うよ。」

義母、溜息。

 

オットーと義母が世間話をしていると、義父が寝室から登場、歩行補助器を叩きつけつつキッチンに入り、マグカップをカウンターに叩き置く。

オットー、今日自分がすべきことはこれ以上ないことを義母に告げ、キッチンの戸口へ。オットーを見留めた義父、すぐにオットーの鼻先に

あからさまに背中を向ける。サンライズ・ケアに電話した結果を義父に報告しようと試みるオットー。

「サンライズ・ケアだけどね、自動引き落としの申し込み用紙を・・・」

振り向いた義父、オットーに、面と向かって怒鳴る。

「ワシはお前と話したくない!」

「オーケー、それならいいさ、・・・」 居間に戻って、「・・・その方がこっちも楽だ。」

コートを着て帰る仕度。

「お父さんてば、あなたと話もしたくないって、どうしてそんなことを言えるのか・・・!」

(肩をすくめて) 「父さんはいつだってこんな風だったよ。」

「あなたにこれほど世話になっていながら!あなたがいてくれなかったら、私たちどうなっていたことか・・・!」

玄関に向かうオットー。キッチンから居間に入ってきた義父、歩行補助器を床に叩きつけて、

「お前の汚い言葉は、誰か別の人間に使うことだな!」

(確かにオットーは義父に罵り言葉を吐きましたが、それはしばらく前[=10月11日、参:パワーアップしたクソ野郎]のことでしたけど???)

呆れ顔を見合わせる、義母とオットー。義父、歩行補助器を叩きつけながら、またキッチンへ。

(玄関まで見送りに来てくれた義母に、オットー) 「我慢できなくなってどこかに行きたくなったら知らせてくれ。

母さんが身を寄せられる場所を見つけるから。俺だって父さんとは暮らしたくないからね。」

「そうね、・・・どうもありがとう・・・ありがとうね・・・」

 

 帰宅したオットーが義父母宅でのことをムスメと私に話していると、義母からオットーに電話。

「ごめんなさいね、でもお父さんが怒鳴り散らすのをやめないの・・・」

(背景で義父) 「ワシは怒鳴り散らしてなどおらんぞ!」

「・・・お父さん、自分の常用薬をリストアップしてある青い紙を、あなたが持ち去ったと言っているの。

自分の薬をオーダーするのに必要な紙なんですって。」

青い紙など見た記憶がなかったオットーでしたが、念のために持参していたノートやコートのポケットをチェックしました。

義母経由でオットーがそうしていることを聞いた義父、

「あれがないと、ワシは何もオーダーできん!」

調べたけれど青い紙を発見できなかったオットーは、義母に、自分はそれを持ち帰った覚えはないし、テーブルの上にそれが

載っているのを見た覚えもないと伝えました。義母からそう伝え聞いた義父、

「そうだろうな!もちろんオットーじゃない、そうだな!」

義母、義父に黙るようたしなめ、オットーに謝って電話を切る。

 

午後8時45分、義母からふたたび電話。義妹(義母にとっての娘)のジェインに電話するふりをしていたので、ささやき声でした。

義母はオットーに、今日の義父の機嫌はよかったと報告。朝の義父の様子を義母が忘れてしまったのかを訝るオットー。

常用薬をリストアップした青い紙を義父が見つけられたかオットーが訊くと、紙は見つかり、義父は自分の薬をオーダーしたとのことでした。

「じゃあ父さんは、明日俺に謝ってくれるのかな?」

「それはありそうにないわね。」

義母によると、義父はそのときラップトップを使用中でした。

「ラップトップは、俺が壊したと思ったけど?じゃあラップトップの件でも、父さんは明日謝ってくれるかな?」

「それもないでしょうね。」

「そうだね。」

義母、翌日オットーが買物のため来てくれることを確認し、ささやき声のままさよならを言って、通話を終えました。

夫に聞かれないようにと寝室からささやき声で実の息子に電話し、それを『夫の機嫌がよい日』と描写する母親が、

世界にいったい何人いるのだろうかと、訝るオットー。

オットー、ムスメ、私の三人は、義父が不気味に機嫌がよかったのなら、「これは嵐の前触れだろう」ということで意見が一致するのでした。

 

 

《 ④につづく 》

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1530

Trending Articles