オットーはホワイト・チョコレートが好きなので、思いやり溢れる良妻のワタクシは、
新製品を見つけると買ってあげます。(そして自分も食べる。)
スニッカーズ・ホワイトは、おいしかったけど・・・すご~く甘かったです。
ホワイト・オレオ・チョコレートは、砕いたオレオ・ビスケットがホワイト・チョコレートの間に挟まっている感じでした。
これもすご~く甘かった、でもおいしかった! 甘党だから、両方ともきっとまた買っちゃう!
* * *
美味しそうなお菓子が新発売されたので、のび太は早速買って食べてみました。
でもジャイアンは、(本当に美味しいかどうか、評判を聞いてからにしよう)とすぐには買いませんでした。
お菓子は本当に美味しくて、飛ぶように売れて、需要が供給に追いつかない状態に。
家族やおじいちゃんおばあちゃんにも食べさせてあげたいと思ったのび太は、お菓子を注文して代金の前払いもしました。
お菓子の評判を聞いたジャイアンも、食べてみたくなりお菓子を注文しました。
ところがお菓子の原材料の仕入れに手違いがあり、のび太の注文分は大丈夫だけれど、あとから注文したジャイアンの分は、
製造・出荷が数ヶ月遅れることになってしまいました。
楽しみにしていたお菓子が当分食べられないことに激怒したジャイアンは、のび太に宣言しました。
「お前の注文したお菓子を俺によこせ!よこさないなら、お店に取りに行けないよう通せんぼしてやる!」
先週のEUの英政府に対する要求は、例えれば、こんな感じだったと思います。
EUを離脱したため新型コロナのワクチンの承認も発注も速やかに行えた英政府。
90歳のマーガレットさんが英国内で最初のワクチンを受けたのは、12月8日のことでした。
それ以降英国のワクチン接種は、急ピッチで進められています。
一方、加盟27ヶ国の意見交換や協議を要するEUは、大きく出足が遅れました。
ワクチンを発注したものの、製造メーカーは最近になって、製造に遅れが生じるため供給は当初の予定より
かなり遅れるとの見通しを通達してきました。
(WHO、ワクチン輸出制限をめぐりEUを批判 - BBCニュース)
焦り怒ったEUは1月29日、英政府に対し、「英国が注文し代金も前払い済みのワクチンをEUに寄越せ」と要求。
さらには、EUに加盟しているアイルランド共和国を通じて英国の一部である北アイルランドへとワクチンが流れないよう、
アイルランド共和国と北アイルランドの間に「厳格な国境をつくる」とも。
私は政治関係はまったく興味ないし苦手でちんぷんかんぷんなので、調べてみました。なるほど・・・
ブレグジット(英国のEU離脱)の際、EUと英国は、
同じアイルランド島で陸地を分かち合うアイルランドと北アイルランド(英領)の間には、
他のEU加盟国と英国の間のような「厳格な国境は築かない」ことで合意したんですね。
二国間の歴史的背景や、北アイルランド問題でおびただしい犠牲を出した過去を鑑みて。
ウィキペディア - 北アイルランド より引用:
2016年のイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票で離脱派が賛成多数となったことを受け、再び南部との間の
国境問題が浮上した。国境の取扱についてイギリス議会でも議論がまとまらず、同国のEU離脱は2020年まで先延ばしを
繰り返し厳格な国境の復活は回避された。離脱の移行期間が終了した2020年12月31日以後も北アイルランドは
EU単一市場に留まっており他のイギリスの地域とは別の扱いを受けている。
BBCニュース - EU、ワクチン輸出規制はブレグジット協定に「影響しない」 内容を一部撤回 より引用:
イギリスは今年1月1日に正式にEUを離脱したが、EU加盟国のアイルランドと国境を接する北アイルランドについては、
通商に支障が出ないよう税関など国境管理措置を設けない「北アイルランド議定書」を締結している。 (中略)
欧州委員会が当初発表した「透明性・委任メカニズム」では、北アイルランドがEUからイギリスにワクチンを運ぶ「裏口」に
ならないよう、国境管理措置を復活させるため、北アイルランド議定書16条を発動すると記されていた。EUは先に、
この措置はワクチン確保のために「正当性」があると説明していた。 (中略)
欧州委員会はイギリスからの批判を受け、16条は「発動しない」と発表。新たな「透明性・委任メカニズム」を30日にも
公開すると述べた。一方、加盟各国にワクチン輸出の是非を委ねる仕組み自体は変更しない方針だという。
BBCのカティヤ・アドラー欧州編集長によると、欧州委員会の今回の決定は加盟国の間でも「失敗」、「判断ミス」だと
批判されているという。また、一連の決定について当事者のアイルランドは相談を受けておらず、EUのワクチン接種事業の
混乱振りがうかがえると指摘した。
つまり、
北アイルランド議定書は、北アイルランドとアイルランド共和国の間の厳しい国境の再出現を回避するように設計された。
しかしながら、将来この議定書が何らかの「深刻な経済的、社会的、または環境的困難」を引き起こしていると考えられる
場合には、
「EUまたは英国のいずれかが北アイルランドの国境管理に関連するBrexit貿易協定の一部を無効にすることを認める」
(=国境をつくる)という撤退条項、それが第16条ということみたいです。
EUのトップは、欧州委員長であるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏(62歳)。
7人の子供の母親でありながら医師の資格を取ったうえ政治家としても躍進してきたと聞き、
ものぐさな私は尊敬の念を抱いていたんですが。
残念ながら今回の無茶な発言で、尊敬の念は雲散霧消しました。
英国に対しEUができるのは、高飛車で威圧的な『命令』ではなく心をこめた丁重な『お願い』のみだ~っ!
ワクチン獲得が困難になりつつあるとしても、責めるべきは製造元!英国に八つ当たりするな!
英国を責めることで、ワクチン接種事業の出足が遅れたことへの批判から欧州民の注意をそらせるな!
EUの足かせが外れていた英国は、迅速にワクチンを承認し、発注し、ワクチン接種をスタートさせました。
なのにEUの要求をのんでワクチンを譲ってあげてしまっては、「最初のワクチンを受けて2回目のワクチンを待っている350万人が
宙ぶらりんの状態になる」そうです。それでなくても、最初のワクチンと2回目のワクチンの間に12週間も空けてしまっては
ワクチンの効果が減退してしまうのではないか?と、未だに懸念している専門家もいるというのに。
前代未聞の異常緊急事態に、どこの国でも誰もが、状況を改善させようと必至に試行錯誤しているんです。
EUに入るはずだったワクチンが遅れるからといって、安易に英国に「おたくの分をよこせ」だの、
「アイルランドと北アイルランド間に国境を築くぞ」だのといった脅しをかけてくるな!恥を知れ!!
EUの理不尽な要求を、北アイルランド相のアーリーン・フォスター氏は
「信じられないほど敵対的な行為(Incredible act of hostility)」、
元北アイルランド相ジュリアン・スミス氏は
「まるでトランプ氏がやりそうな行為(almost Trumpian act)」と表現しました。たしかに。
フォン・デア・ライエンEU委員長とボリス・ジョンソン英首相の二度の電話会談の結果、
EUは前言を撤回、事態は収拾したそうで、とりあえずはよかったです。
今回の無謀な要求は、EU委員長の独断によるフライングだったのかもしれませんね。
オットーはラジオを聞きながら仕事をしているのですが、ラジオのインタビューであるドイツの政府高官が、
「(EUの判断を待たずに)ドイツという国としてワクチン発注に踏み切っていればよかった」と言っていたそうです。
ざっと調べてみたら、フォン・デア・ライエン氏は過去にも何度か物議を醸したし、彼女のEU委員長就任も
手放しで喜ばれたわけではなかったみたい。
ひょっとしたら彼女、今回の発言で墓穴を掘ったかもしれませんね。
まぁそれは、因果応報ということで。
下は先週のニュースからの引用です。いつの時点での数字かは明記されていませんでしたが。
こうして円グラフで示されてみると、英国がダントツでワクチン接種を進めているのがわかります。
でも、英国が必死なのにはそれ相応の理由が。
ほんと、感染者数・死者数ともに、驚異的に多くて・・・欧州でも最悪に近い状態。いったいなぜなのっ!?
ウィキによると、日本の2020年の人口は1億2581万人、イギリスの2018年の人口は6643万人。
日本の人口はイギリスの1.894倍ということになります。イギリスの今日までの累計死者数は、106,564名。
単純計算してみると、これがもし日本だったら、106,564x1.894で、201,832名が死亡していることに・・・
そんな状態ですから、ワクチンが順調に入手できるからといって、EUに羨まれるような立場にはないのですよ。
というか、危機的状況が続く英国は、本当に一日も早くワクチン接種を行き渡らせなければならないのです!
そういうわけなので、EU各国の皆様には、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
《 参考記事 》
EU、アストラゼネカに英工場製のワクチン供給を要求 域内での不足うけ - BBCニュース
EU、ワクチン輸出規制はブレグジット協定に「影響しない」 内容を一部撤回 - BBCニュース
WHO、ワクチン輸出制限めぐりEUを批判 - BBCニュース
Now humiliated EU bullies BACK DOWN on vaccine export ban - Daily Mail
Boris's double vaccine victory over the EU - Daily Mail