今日はちょっぴり切なくて、でも最後は感動する話をば。
コロナ感染対策が緩和され、レストラン・カフェやパブの店内でも飲食が許されるようになった
今週月曜日(5月17日)のこと。
パブにいた3児のパパのマークさんは、一人で座っている高齢男性が15分経っても
注文を取ってもらえていないことに気づいていました。
コロナ対策のため、バーのカウンターでは注文は受け付けず、客は注文を取りにきてもらうまで待つか、
あるいはスマホのアプリで注文するシステムになっています。
マーク・ファリアーさん(39歳)
おそらく高齢男性は、スマホを持っていないのだろう。
男性を気の毒に思ったマークさんは、アプリを使ってビールを2杯注文して
男性におごり、さらには自分の席を近づけて男性と会話を始めたそうです。
マークさんが男性に許可を得て撮影したと思われる画像。
身なりを小ざっぱりと整え、靴までちゃんと磨き上げてきた様子の高齢男性は、一人暮らしの79歳。
コロナのため長いこと誰とも会話していなかったから、店内で飲めるようになった最初の日に、
パブでの一杯を楽しみにやって来ました。
The Ernest Willows
Read more: https://metro.co.uk/2021/05/19/dad-buys-pints-for-old-wetherspoons-customer-who-didnt-have-the-app-14611009/?ito=cbshare
Twitter: https://twitter.com/MetroUK | Facebook: https://www.facebook.com/MetroUK/
The Ernest Willows
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マークさんによると、テーブル・サービスのスタッフは「感じ良く、礼儀正しく、とても申し訳なさそう」で、
「アプリを持たない客の注文を取ってまわるスタッフは自分一人だけなので・・・」と説明したそうです。
マークさんは(おそらく許可を得たうえで)高齢男性の画像をメッセージとともにSNSに投稿し、
高齢者への思いやりを忘れないよう呼びかけました。
「ウェザースプーンズで小柄な高齢男性が一人きりで座っていた。身なりを整えた彼はアプリが使えず
スタッフにも15分以上見過ごされていた。彼にビールを2杯おごって距離を縮めて座り、少しばかり話をした。
感謝でいっぱいの彼は79歳で、飛行機の塗装をする仕事をしていたそうだ。もう何ヶ月も誰とも話を
していなかったと言っていた。周囲の高齢者に思いやりを持とう。」
彼の善きサマリア人ぶりに、賞賛のメッセージが続々と届いたようです。
「よくやったね。アプリは昔からある良い顧客サービスには何の役にも立たない。」
「マークさん、シェアしてくれてありがとう。皆が皆――とくに高年齢層――がコンピューターやスマホやタブレットを
持っているわけではない(65歳以上の47%)のに、そのことが忘れられがちなのでイライラするわ。
そのほうが簡単だからといって、高年齢層を社会から除外するなんてことは、絶対にしてはいけないことよ。
この男性を仲間に入れてくれてありがとう、マークさん。」
「時間を割いて思いやりを示したんだね、上出来だよ、マークさん。私も昨日妻とカフェに入ったんだが、メニューはQRコードを
スキャンしたうえで、オンラインで見るようだった。いったいどうやって高齢者に、単なる一杯のコーヒーを注文しろというのだろう。
社会はこういう人々のことを忘れている。マークさんは良いことをしたね!」
件のパブはカーディフにある The Ernest Willows で、英国とアイルランドで900店近い店舗を展開する
ウェザースプーンズ(Wetherspoons)チェーンの一店舗。
ウェザースプーンズはマークさんの親切を賞賛したうえで、「スタッフが高齢男性を無視したわけでは決してない」ことと、
「(アプリを使わずに)スタッフに直接注文と支払いもできる」ことを保証したそうです。
ちょっ・・・ 待って、くださ~い!
パブでアプリ!? カフェでQRコードぉ!??
私がコロナを大義名分に引きこもっている間に、世の中は進歩していたんですね~!!
こりゃあ私も完全に、『若い人に助けてもらわなければならない高齢者』予備軍だわ。
否、すでに立派にそのうちの一人かも。
倹約主婦の私、外食はめったにしない主義ですが、社会の現状についていくためにも、
たまには外食も必要かもですね・・・
最後になりましたが、『善きサマリア人(a good Samaritan)』という表現は、よくニュースなどで耳にします。
聖書のエピソードに出てくるたとえで、「困っている人がいたらできる限りのことをして助けなさい」という教えのようですね。
「善きサマリア人」とは? 『聖書』のエピソードや絵画と法も解説 - TRANS.Biz
ちなみに英国での『いのちの電話』にあたるものは “Samaritans”。
年中無休で毎日24時間、窮地にある人々の悩みや苦しみに耳を傾けてくれます。
納得のネーミングですね。